水木会第98回例会

 4月20日(水)午後6時半から日経本社七階会議室で、平成23年度第4回例会(通算98回)が開かれた。三月例会が「大震災」の影響でメール句会に切り替えられたため、会員にとっては二カ月ぶりの顔合わせ。死者一万四千人余、行方不明一万三千三百人余を数え、東電福島原発の損壊対応なお定まらずとあって、何か気持ちの弾まない気分の中での句会であった。出席者は15人、投句参加は11人、投句総数は122句だった。
 兼題は「春眠」「竹の秋」で、8句選句で句会を進めた結果、最高は4点で1句のみ、次いで3点が11句。以下2点19句、1点41句とかなりばらけた。最高の4点句「たんぽぽや転校すると告げられし」は星川佳子さんの作。星川さん、3点句にも「パンダ舎に歓声戻り竹の秋」「チョコレートとろとろ春の眠りかな」の2句が入ってまさに星川デー。嵐田啓明さんも「竹の秋街道筋は土煙」「北向いて北向いて咲く辛夷かな」の2句で3点を集めた。
 兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「春眠」
  春眠や町内会長卒業す             大澤 水牛
  春眠や夢を重ねて枕皺             広上 正市
  チョコレートとろとろ春の眠りかな       星川 佳子
  不惑なるむすめ生家に春眠す          吉野 光久

「竹の秋」
  竹の秋街道筋は土煙              嵐田 啓明
  わが祖国問われし未来竹の秋          池村実千代
  パンダ舎に歓声戻り竹の秋           星川 佳子
  立ち寄りし書店の暗さ竹の秋          横井 定利

「雑詠」
  たんぽぽや転校すると告げられし        星川 佳子
  北向いて北向いて咲く辛夷かな         嵐田 啓明
  春のなゐ湯船にすがりやり過ごす        金田 青水
  鎮まるを花に祈りし余震かな          久保田 操

<出席者> 嵐田啓明、池村実千代、今泉恂之介、今村聖子、植村博明、大熊万歩、大澤水牛、大平睦子、小林啓子、杉山智宥、田中明美、堤てる夫、徳永正裕、広上正市、星川佳子
<投句参加> 大下綾子、加藤明男、金田青水、久保田操、佐々木碩、高石昌魚、高橋淳、藤野十三妹、水口弥生、横井定利、吉野光久
                            (堤てる夫記)

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