一席8点に水兎句「紙の鍋」、二席は明生句「園丁の鋏」
女性陣大活躍、上位に並ぶ
日経俳句会は2月18日(水)夕、神田・鎌倉橋の日経広告研究所会議室で二月例会(通算246回)を開いた。寒明から2週間、ようやく春が兆し始めたこの日は13人が出席、内女性が5人と春らしい華やいだ句会となった。兼題は「犬ふぐり」。36人から107句の投句があり、6句選(欠席者5句)の結果、星川水兎さんの「紙の鍋ゆっくり焦げて春浅し」が8点で一席。二席は加藤明生さんの「園丁の鋏の音や春浅し」が7点だった。犬ふぐりを見たことがないという若い人もいて、今回の兼題は難題だったようで類想句が多かった。三席は5点で、兼題では高橋ヲブラダさんの「戦国の陣形思ふいぬふぐり」など3句、雑詠では坂部富士子さんの「春の雪手摺の上のやはらかさ」など4句の計七句が並んだ。以下、4点7句、3点15句、2点19句、1点28句だった。なお前回、句会を見学に来た安彦真弓(あびこ・まゆみ)さんが正式入会、席上挨拶した。兼題別の高点句(三点以上)は以下の通り。
「犬ふぐり」
また一年過ぎたんだねと犬ふぐり 岩田 千虎
戦国の陣形思ふいぬふぐり 高橋ヲブラダ
みずいろの空のこぼれて犬ふぐり 星川 水兎
杖すべり転んだ先に犬ふぐり 藤野十三妹
故郷の山河は蒼し犬ふぐり 嵐田 双歩
草叢に青い群星犬ふぐり 中野 枕流
昨日今日良いこと多し犬ふぐり 横井 定利
当季雑詠
紙の鍋ゆっくり焦げて春浅し 星川 水兎
園丁の鋏の音や春浅し 加藤 明生
図書館で日がな歳時記春隣 和泉田 守
老いるとは忘れることよ朧月 岩田 千虎
乾きゆく街を潤す春の雪 久保田 操
春の雪手摺の上のやはらかさ 坂部富士子
外付けの上り階段寒北斗 植村 方円
春の灯や焼上がりたる井戸茶碗 大澤 水牛
脱いで着て帽子はどこぞ冬将軍 岡田 鷹洋
ゲーセンを子等と梯子の建国日 須藤 光迷
茎も根も紅のうれしやはうれん草 廣上 正市
夜八時浅草仲見世冴返る 横井 定利
春の雨土は命を育んで 嵐田 双歩
春の雪カフェに出かけてジャズを聴き 池村実千代
日の高し雪解の畑黒々と 和泉田 守
春淡し旧き仲間の丸い背 植村 方円
春めくや鳥呼ぶ妻の声若し 大澤 水牛
初雪や枯れたランにも花が咲く 澤井 二堂
キッチンに早春賦の譜声うらら 杉山 三薬
紅梅や決意のごとし一二輪 高橋ヲブラダ
宮参り余寒の鈴の高鳴りぬ 徳永 木葉
寒一献みんな頻尿古希の会 中沢 豆乳
立春やあれやこれやに片が付き 中嶋 阿猿
圧勝に唖然慄然春寒し 中村 迷哲
《参加者》【出席13人】安彦真弓、嵐田双歩、池村実千代、植村方円、大澤水牛、金田青水、坂部富士子、篠田朗、杉山三薬、中村迷哲、星川水兎、溝口戸無広、向井愉里。【投句参加23人】和泉田守、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、横井定利。 (報告 嵐田双歩)



