参加8人で即日投句・合評講評、打上げは町屋の名物蕎麦
梅雨入りまもない6月14日、堀切菖蒲園と向島百花園をめぐる菖蒲吟行を実施した。雨雲が全国で勢いを増すなか、アメニモマケズと参加したのは嵐田双歩、池村実千代、大澤水牛、金田青水、坂部富士子、澤井二堂、向井愉里、杉山三薬の8人。
午前11時、京成線堀切菖蒲園駅に集合、菖蒲祭りの旗がはためき、紫陽花の咲くクネクネ道を10分ほど歩いて堀切菖蒲園に到着。大変な人出だ。さして広くない園内だが、花菖蒲が今を盛りと何千本。花の種類の多さ。色、形さまざまに刺激を受けたか。午後からの句会では産地や名称にちなむ句が多く出された。
堀切菖蒲園駅に戻り、そこから京成関谷、東武線牛田駅を経由して東武線東向島に向かう。この辺り隅田川と荒川に挟まれた、典型的な下町風景の残るところ。東向島駅近くのインド料理店で昼食。食後10分ほど歩いて向島百花園に到着。園内を散策する人、貸し座敷で一休みの人、2時半から句会開始。今回の吟行は、投句、選句、講評をすべて当日中にすます方式にした。投句2句、選句4句。合評会では高点を逃した句にも、多くの感想、質問が寄せられ、通常の句会にはない臨場感のある句会になった。総括を求められた水牛さんからは「今日はいい句が揃い、充実した討論も出来た。今後ともこういう形式の吟行をやろう。3人以上集まれば吟行だ」と全員に喝を入れられた。
句会終え、全員タクシーで本日の反省会会場、町屋の蕎麦屋「如月徳」へ。上質のつまみと旨い蕎麦で、和やかに一日を締め括った。後で分かったのだが、富士子さんが、てるてる坊主を三つも吊るして今日の晴れを願ってくれていた。その霊験あらたか、夕方まで傘をさすことなく行動できた。参加8人のこの日の代表句は次の通り。
花の名は銘酒に似たり菖蒲園 嵐田 双歩
堀切の菖蒲愛でるや句友あり 池村実千代
白菖蒲凛とその名も香炉峰 大澤 水牛
咲き終へし花がら摘むや菖蒲園 金田 青水
水無月や愉しき里の貸座敷 坂部富士子
葉柳の頬くすぐって池の道 澤井 二堂
花菖蒲初めてクッパ食った町 杉山 三薬
花菖蒲江戸系肥後伊勢咲き揃い 向井 愉里
(報告 杉山三薬)