17人参加、「虹」「冷汁」を詠む
首位7点に百子句「七代の墓」、二席6点に水兎句
番町喜楽会は令和7年7月例会(通算第229回)を、7日(月)午後6時半から東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。35度以上になった猛暑日にもかかわらず、句会には8人が参加、喧々諤々の合評を繰り広げた。兼題は「虹」と「冷汁」。17人から85句の投句があり、6句選(欠席者は5句)の結果、首位7点を高井百子さんの「炎帝や七代の墓仕舞ひけり」が占め、二席に星川水兎さんの「生き方の違う姉妹や冷し汁」が6点で続いた。三席五点には須藤光迷さんの「虹生まれしばしタイムの草野球」、中村迷哲さんの「慰霊の日ニライカナイへ虹わたる」と「故郷の家売れぬまま戻り梅雨」の3句が並んだ。4点は2句、3点は6句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「虹」
虹生まれしばしタイムの草野球 須藤 光迷
慰霊の日ニライカナイへ虹わたる 中村 迷哲
虹を出し子ら追い回すホースかな 須藤 光迷
下ばかり向くな彼方に虹の出る 高井 百子
ミスト浴び小さき虹の見えにけり 向井 愉里
「冷汁」
生き方の違う姉妹や冷し汁 星川 水兎
掻っ込むという言の葉や冷し汁 嵐田 双歩
朝採れのきゅうりを入れて冷やし汁 斉山 満智
冷汁や老人会の村おこし 玉田春陽子
「当季雑詠」
炎帝や七代の墓仕舞ひけり 高井 百子
故郷の家売れぬまま戻り梅雨 中村 迷哲
仰向けに置かるる汗の保安帽 玉田春陽子
行ちがう男子日傘と女子日傘 玉田春陽子
《参加者》【出席8人】池内的中、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、中村迷哲、廣田可升、前島幻水。【投句参加9人】嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、高井百子、堤てる夫、徳永木葉、星川水兎、向井愉里、山口斗詩子。
(報告 須藤光迷)