16人参加し「入梅」と「鮎」を詠む
投句78句中50句が得点の大乱戦、双歩、水牛が首位並走
番町喜楽会の第228回例会が令和7年6月7日(土)午後6時、東京・九段下の千代田区生涯学習館で行われた。このところ番喜会は忙しかったり身体不調などで欠席者が多くなっているが、この日はそれが甚だしく、欠席投句9名に対して出席が7人に止まった。しかし、こぢんまりとした集いにはなったものの談論風発、とても充実した句会となった。今回の兼題は「入梅」と「鮎」。16人から78句の投句があり、6句選(欠席者は5句)で選句を進めた結果、「天」の位は6点で嵐田双歩さんの「一服の新茶のほぐすわだかまり」と大澤水牛さんの「古古古米行列で買ふ梅雨入かな」の2句が並んだ。「地」の位は4点で、双歩さんの「入梅の雨垂を聞く二度寝かな」、玉田春陽子さんの「川上る姿のままに串の鮎」と「逆さまに空をしずめて植田かな」、そして中村迷哲さんの「石の罠築き少年鮎を待つ」の4句がひしめき合った。「人」の位3点は金田青水さんの「入梅を待たずあぢさゐ小むらさき」と水牛さんの「群れ咲いて十薬日陰かがやかす」の2句だった。このほか2点が11句、1点31句と非常に票が分散し、50句に点が入る大乱戦となったのも今回の特徴だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「入梅」
古古古米行列で買ふ梅雨入かな 大澤 水牛
入梅の雨垂を聴く二度寝かな 嵐田 双歩
入梅を待たずあぢさゐ小むらさき 金田 青水
「鮎」
川上る姿のままに串の鮎 玉田春陽子
石の罠築き少年鮎を待つ 中村 迷哲
「当季雑詠」
一服の新茶のほぐすわだかまり 嵐田 双歩
逆さまに空をしずめて植田かな 玉田春陽子
群れ咲いて十薬日蔭かがやかす 大澤 水牛
《参加者》【出席7人】大澤水牛、金田青水、玉田春陽子、中村迷哲、廣田可升、前島幻水、向井愉里。【投句参加9人】嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、堤てる夫、徳永木葉、星川水兎、山口斗詩子。
(報告 大澤水牛)