日経俳句会第237回例会

初の日曜昼間開催、「卒業」と「沈丁花」を詠む

最高9点に三薬句・水兎句

日経俳句会は令和7年3月例会(通算237回)を3月16日(日)に鎌倉橋の千代田区立スポーツセンター会議室で開いた。奇数月を日曜昼間の開催に変更する試みの初回だったが、あいにくの雨もあり出席者は10人にとどまった。ただ夜間の外出を控えている徳永木葉さん、岡田鷹洋さん、中沢豆乳さんらが久しぶりに参加、清新な顔ぶれで盛り上がった。兼題は「卒業」と「沈丁花」。33人から99句の投句があり、6句選(欠席は5句)の結果、一席には杉山三薬さんんの「さまざまな思いも丸め卒業証」と星川水兎さんの「春の雪鍵だけ残る双牛舎」が9点で並んだ。二席8点は高井百子さんの「啓蟄や腹の虫鳴く回復期」が入り、三席7点は加藤明生さんの「好きな子に好きと言へずに卒業す」と岩田千虎さんの「ロッカーにそっと落書き卒業す」の2句が分け合った。以下、6点2句、5点6句、4点5句、3点8句と続き、高点句が26句にのぼった。そのほかは2点12句、1点15句だった。今月から試行した日曜昼間開催については、「夜の外出に不安があるので、昼間なら出やすい」と評価する声が多かった。常連メンバーに所用と重なった人が多かったため出席者は増えなかったが、次回(5月)以降も試行を続け、句会を活性化していきたい。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「卒業」

さまざまな思いも丸め卒業証             杉山 三薬

好きな子に好きと言へずに卒業す           加藤 明生

ロッカーにそっと落書き卒業す            岩田 千虎

避難所の友も集ひて卒業歌              中村 迷哲

卒業の袴華やぐ駅ホーム               和泉田 守

卒業式父も校歌を口ずさみ              徳永 木葉

卒業の子のそれぞれに新世界             須藤 光迷

卒業や先生いちばん多く泣き             中嶋 阿猿

「沈丁花」

沈丁の香を乗せ雨のやはらかに            嵐田 双歩

沈丁や谷中の坂を風に乗り              澤井 二堂

かくれんぼ息をひそめて沈丁花            中嶋 阿猿

大正のうねる硝子や沈丁花              星川 水兎

空襲の音が臭ひが沈丁花               大澤 水牛

沈丁の香りが招く露地めぐり             加藤 明生

闇の香をたどりて迷ふ沈丁花             中村 迷哲

沈丁花鎌倉が好き路地小路              廣上 正市

当季雑詠

春の雪鍵だけ残る双牛舎               星川 水兎

啓蟄や腹の虫鳴く回復期               高井 百子

三月や生の息吹きと鎮魂と              和泉田 守

何年も二人だけ観て雛納               旙山 芳之

黄沙ふる歩きスマホの街に降る            金田 青水

ディールとはまず脅すこと春疾風           中野 枕流

庭の灯の朧おぼろに二合半              大澤 水牛

蕗味噌は手作りですと宿の主             岩田 千虎

寄り添ひて雀の夫婦春隣り              大沢 反平

春セーター別れ話のサイゼリア            高橋ヲブラダ

《参加者》【出席10人】嵐田双歩、植村方円、大澤水牛、岡田鷹洋、篠田朗、杉山三薬、徳永木葉、中沢豆乳、中村迷哲、溝口戸無広。【投句参加23人】池村実千代、和泉田守、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡松卓也、加藤明生、金田青水、工藤静舟、久保道子、久保田操、坂部富士子、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、星川水兎、横井定利。

(報告 中村迷哲)

 

 

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