日経俳句会令和6年度下期合同句会

19人が出席し、納めの会

百子句「寒卵」が一席10点、二席に迷哲句と戸無広句

日経俳句会は12月18日(水)夕、内神田の日経広告研究所会議室で下期合同句会を開いた。街はあちこちにイルミネーションが瞬き、師走らしい慌ただしさの中、寒風を突いて19人が一同に会した。ほとんどの高点句の作者が出席していた事もあり、句会は大いに盛り上がった。「水仙」の兼題に、当季雑詠含め37人から110句の投句があり事前選句の結果、一席は高井百子さんの「金賞とシール貼られし寒卵」が10点を獲得、この日発表された日経俳句会賞英尾賞受賞に花を添えた。次いで二席には中村迷哲さんの「越前の波濤眼下に野水仙」と溝口戸無広さんの「水仙のつぼみをほどく朝日かな」が8点で並び、三席には大沢反平さんの「房総の道の明るさ野水仙」、金田青水さんの「米寿への坂を登らん注連飾る」、徳永木葉さんの「教壇に薫る一輪水仙花」の3句が7点で並んだ。以下、6点3句、5点1句、4点8句、3点6句、2点と1点が各20句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「水仙」

越前の波濤眼下に野水仙               中村 迷哲

水仙のつぼみをほどく朝日かな            溝口戸無広

房総の道の明るさ野水仙               大沢 反平

教壇に薫る一輪水仙花                徳永 木葉

水仙の白き一輪黒唐津                篠田  朗

瀬音する厠の水仙無人駅               中沢 豆乳

床の間に古き竹籠水仙花               池村実千代

断崖をゆるやかにして水仙花             星川 水兎

「当季雑詠」

金賞とシール貼られし寒卵              高井 百子

米寿への坂を登らん注連飾る             金田 青水

湯気立てるラガーの声の殺気かな           金田 青水

荒巻の重さに耐えし五寸釘              玉田春陽子

家並の影絵となれり寒夕焼              溝口戸無広

良きことを心に刻む年忘               中野 枕流

片時もスマホ離さず去年今年             植村 方円

縦列のサギ動かざる寒の川              杉山 三薬

口軽く尻重くなる日向ぼこ              玉田春陽子

酔どれて家路は遥か寒昴               徳永 木葉

神主につかず離れず寒雀               中嶋 阿猿

遠き日の唱歌口つく冬の河岸             廣田 可升

立ち読みに耽り半時日記買ふ             和泉田 守

駆け足に色付きて散る冬木立             岡松 卓也

くるくるとドガの踊り子紅葉散る           中沢 豆乳

十二月この一年を肯定し               向井 愉里

《参加者》【出席19人】嵐田双歩、池村実千代、岩田千虎、植村方円、大澤水牛、金田青水、坂部富士子、篠田朗、杉山三薬、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中野枕流、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、溝口戸無広、向井愉里。【投句参加18人】和泉田守、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、久保道子、久保田操、澤井二堂、須藤光迷、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中沢豆乳、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、横井定利。

(報告 嵐田双歩)

 

 

 

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