番町喜楽会第219回例会

久々に全会員19名参加、投句総数95句

最長老白山氏「卒寿の坂」で最高9点獲得

猛暑の中「秋の声」と「流星」を詠み合う

番町喜楽会は令和6年8月例会(通算第219回)を8月3日(土)午後6時から、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。番町喜楽会は一時は会員が35人にも膨れ上がったのだが、寄る年波に一人去り二人欠けと現有会員は19人になっている。それも「夜間外出を控えておりますので」とか「ちょっと不具合」とかで句会場に出て来られない人も多くなった。というわけで、この夜も出席者は10人とこじんまり。しかし、俳句以外ほとんど用の無い当番幹事水牛のしつこい投句催促メールに辟易したか、次々に投句が寄せられ、ついに19人全員の投句95句が勢揃い、全員が選句した。

今回の兼題は「秋の声」と「流星・流れ星」。選句7句(欠席者は5句)で句会を進めた結果、田中白山さんの「卒寿への最後の坂の残暑かな」が断然の9点で一席を飾った。二席は6点で玉田春陽子さんの「占いの客待つ路地や秋の声」と廣田可升さんの「なき人はよき人ばかり流れ星」の2句、三席5点は「白桃やアダムもイヴも知らぬ味 春陽子」だった。さらに「夜の更けて一人弓引く秋の声 的中」「広島や炎暑にゆがむアスファルト 双歩」の2句が4点で続いた。以下、3点6句、2点16句、1点31句という結果だった。兼題別の高点句(3点以上)は下記のとおり。

「秋の声」

占いの客待つ路地や秋の声              玉田春陽子

夜の更けて一人弓引く秋の声             池内 的中

神宿る社中磐座(いわくら)秋の声          堤 てる夫

風鈴の吊るされしまま秋の声             高井 百子

AIの解らぬものに秋の声               星川 水兎

「流星・流れ星」

なき人はよき人ばかり流れ星             廣田 可升

流れ星夫婦で違ふ願ひ事               中村 迷哲

「当季雑詠」

卒寿への最後の坂の残暑かな             田中 白山

白桃やアダムもイヴも知らぬ味            玉田春陽子

広島や炎暑にゆがむアスファルト           嵐田 双歩

常連のひとり欠けたり夏の果て            金田 青水

阿波踊目指し毎朝スクワット             谷川 水馬

《参加者》【出席10人】池内的中、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、前島幻水、向井愉里。【投句参加9人】嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、谷川水馬、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、山口斗詩子。

(報告・大澤水牛)

 

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