酔吟会第169回例会

12人が「夕立」「五輪」を詠む

春陽子「夏蒲団」「大仏の背」「ストロー」で高位占める

鷹洋「傘のチャンバラ」、三代は席題「五輪」で気を吐く

酔吟会は令和6年7月例会(通算第169回)を13日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「夕立」、席題に岩田三代さんがまもなく開催される「五輪」を設定、雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の7点句に玉田春陽子さんの「蹴られても足元にゐる夏蒲団」と「日盛りや大仏は背の小窓開け」の2句、さらに、大澤水牛さんの「ご先祖が揃って乗れるお化け茄子」の計3句が入った。次点の5点句には玉田春陽子さんの「ストローの端を噛む癖夏の果」と岡田鷹洋さんの「夕立晴れ傘のチャンバラ帰り道」が入った。三席の4点句では、岩田三代さんが「ブレイキンなにそれ五輪夏のパリ」、「五輪待つ星に戦のやまぬ夏」、「夕立や乾きし土の濡れゆく香」と、なんと3句も入り、さらに須藤光迷さんの「轆轤ひく窓の守宮に見詰められ」も連なった。高得点句を連発する作者が多く、作者が春陽子、三代と判明するたびに、他の参加者からため息のもれる句会となった。兼題別の高点句(三点以上)は次の通り。

「夕立」

夕立晴れ傘のチャンバラ帰り道      岡田 鷹洋

夕立や乾きし土の濡れゆく香       岩田 三代

やむまでといふが夕立の罪つくり     大澤 水牛

大夕立広重の絵の人となる        廣田 可升

「五輪」

ブレイキンなにそれ五輪夏のパリ     岩田 三代

五輪待つ星に戦のやまぬ夏        岩田 三代

五輪より右派だ左派だとパリの夏     杉山 三薬

「雑詠」

蹴られても足元にゐる夏蒲団       玉田春陽子

ご先祖が揃って乗れるお化け茄子     大澤 水牛

日盛りや大仏は背の小窓開け       玉田春陽子

ストローの端を噛む癖夏の果       玉田春陽子

轆轤ひく窓の守宮に見詰められ      須藤 光迷

<句会参加者12人>岩田三代、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、谷川水馬、玉田春陽子、徳永木葉、廣田可升、向井愉里。

(報告 廣田可升)

 

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