兼題「夏めく」と席題「嫉妬」
「母の日」を詠んだ愉里さんが金的
5月11日(土)午後1時から深川・芭蕉記念館で第168回酔吟会例会が行われた。この日の兼題は「夏めく」で、恒例の席題は徳永木葉さん出題の「嫉妬・妬み」。出席者は9人と少なかったが、脳出血リハビリ中の岡田鷹洋さんが「脳の訓練のため特別投句参加」し、参加10人・投句総数50句の例会となった。選句6句で句会を進めた結果、向井愉里さんの雑詠句「母の日や母でも子でもあり多忙」が9点獲得で断然の天位に輝いた。二席は6点で席題句の「薫風に妬みそねみを吹き流し」(水牛)、三席は同じく席題句「嫉み合ふ式部と納言卯波立つ」(木葉)と雑詠「かたまって出番待つかに踊子草」(春陽子)が5点で並んだ。以下、4点1句、3点4句、2点6句、1点10句だった。3点以上の作品は以下の通り。
「夏めく」
すらり脚ずんぐり脚や夏めきぬ 大澤 水牛
「嫉妬・妬み」
薫風に妬みそねみを吹き流し 大澤 水牛
嫉み合ふ式部と納言卯波立つ 徳永 木葉
夜濯ぎや嫉妬軽々流したり 金田 青水
妬むほど隣の畑の整ひて 向井 愉里
「当季雑詠」
母の日や母でも子でもあり多忙 向井 愉里
かたまって出番待つかに踊子草 玉田春陽子
菜園の衛兵交替葱坊主 大澤 水牛
若葉風監視カメラの見え隠れ 玉田春陽子
《参加者》嵐田双歩、岩田三代、大澤水牛、金田青水、杉山三薬、谷川水馬、玉田春陽子、徳永木葉、向井愉里。(特別投句参加)岡田鷹洋。
(報告 大澤水牛)