酔吟会第163回例会

「席題」を出し「特選句」を選ぶ新趣向で開催。

Ⅰ6名出席、席題は「花火」

最高は可升さん11点句、次点は6点5句がひしめく

酔吟会は7月8日(土)、令和5年四回目となる句会を江東区常盤の芭蕉記念館で開いた。今回から、新趣向として句会開始15分前に会場に張り出す席題を採用。参加者は、兼題句、雑詠句の他に「席題句」一句を加えた5句投句することとした。また、選句では、その日一番だと思う句を「特選句(三点)」として加え、計六句選とした。

今回の参加者は16名。新たな試みの句会に、開始時間のかなり前から三々五々芭蕉記念館に集まった。席題を決めた可升さんから、会場の黒板に「席題・『花火・手花火』」が張り出されると、皆真剣に作句を始め、配られた短冊に自句を書き込み、午後1時30分句会開始。兼題「青田」「サングラス」に席題の「花火・手花火」を加え、投句総数80句。新趣向の3点付与される「特選句」を発表しながらの披講の結果、最高十一点は廣田可升さんの「穴場とはビルの隙間か大花火」で、「席題出題者の強みか」というやっかみ半分のひやかしの声。次点は6点で双歩さんの「もう底に何も映さぬ青田かな」、水牛さんの「青鷺の降り立つ青田来ぬ青田」、鷹洋さんの「外苑の学徒の木霊白い夏」、光迷さんの「右は佐渡左は弥彦青田道」、春陽子さんの「耳よりの話もちくるサングラス」の5句が並んだ。続く5点には而云さんの「遥かより来て遥かへと青田風」、水馬さんの「祖父に似た移民三世サングラス」の2句。4点句は道子さんの「サングラス目の日焼どめ病みて知る」、木葉さんの「昏れ残る青田に農夫草を引く」、可升さんの「ちょい悪になりそこねたるサングラス」の3句だった。以下3点が6句、2点が14句、1点が20句だった。

次回の席題出題者は、玉田春陽子さんが用意した割箸ゼイチクを参会者一同一本ずつ引いた結果、金田青水さんに決まった。新趣向の句会はいつも以上の熱気にあふれざっと3時間半かかり、午後五時前に終了した。(3点句以上の高得点者は以下の通り)。

「青田」

もう底に何もうつさぬ青田かな       嵐田 双歩

青鷺の降り立つ青田来ぬ青田        大澤 水牛

右は佐渡左は弥彦青田道          須藤 光迷

遥かより来て遥かへと青田風        今泉 而云

昏れ残る青田に農夫草を引く        徳永 木葉

青田中除草の鎌で道案内          谷川 水馬

「サングラス」

耳よりの話もちくるサングラス       玉田春陽子

祖父に似た移民三世サングラス       谷川 水馬

サングラス目の日焼どめ病みて知る     久保 道子

ちょい悪になりそこねたるサングラス    廣田 可升

サングラス真似たタフガイみな鬼籍     杉山 三薬

老い楽の恋のひとつもサングラス      谷川 水馬

サングラス少し戦闘モードにて       向井 愉里

「花火」

穴場とはビルの隙間か大花火        廣田 可升

花火師は忍者走りに右左          玉田春陽子

「当季雑詠」

外苑の学徒の木霊白い夏          岡田 鷹洋

両足にかけて打水終へにけり        玉田春陽子

(出席者16名)嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子 杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里。

(まとめ 高井百子)

 

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