双歩と幻水の「鰻」が5点で首位
出席11人の寂しさ
番町喜楽会は令和5年7月例会(通算第207回)を3日午後6時半から東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。むしむしとする梅雨湿りのせいもあってか、出席者が11人と寂しかった。兼題は「雲の峰」と「鰻」で、雑詠を含め投句5句、選句6句(欠席者は5句)の結果、首位は嵐田双歩さんの「蒲焼の匂ひくぐりて成田山」と前島幻水さんの「在宅の夫に蒲焼持ち帰る」で5点、次点は今泉而云さんの「桶に居て鰻は客に覗かるる」と中村迷哲さんの「かき氷舌を見せ合ひ色自慢」で4点だった。三点が10句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「雲の峰」
素手で魚捕まえる子ら雲の峰 金田 青水
峰雲や素振りつづける補欠の子 玉田春陽子
大浅間どっかと座る雲の峰 堤 てる夫
「鰻」
蒲焼の匂ひくぐりて成田山 嵐田 双歩
在宅の夫に蒲焼持ち帰る 前島 幻水
桶に居て鰻は客に覗かるる 今泉 而云
成田参り上鰻重の余慶かな 徳永 木葉
「当季雑詠」
かき氷舌を見せ合ひ色自慢 中村 迷哲
青梅を漬けて妻の座定まれり 嵐田 双歩
雌花一つ雄花幾千栗の花 高井 百子
きりもなし日傘の中の立ち話 玉田春陽子
電柱を締め上げ空へ蔦青し 徳永 木葉
海べりのキリシタン墓地土用凪 廣田 可升
きらきらと玉蜀黍の花の列 向井 愉里
【参加者】(出席11人)今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、中村迷哲、廣田可升、前島幻水、向井愉里、
(投句参加7人)嵐田双歩、池内的中、澤井二堂、田中白山、谷川水馬、徳永木葉、星川水兎。
(報告 須藤光迷)