13人参加、早春の花を愛で、連句も挙行
日経俳句会と番町喜楽会合同で、2月11日(土)建国記念の日に府中市にある郷土の森公園を訪れる吟行を催行した。前日、関東全域にドカ雪が降り積もり開催が危ぶまれたが、当日はすっきりと晴れ上がった。ちょうど「梅まつり」が開かれていた園内では梅、福寿草、金縷梅などの早春の花が開き、残る雪の中の散策を楽しんだ。さらに、明治天皇が兎狩の際に休憩・宿泊所として使われた旧田中家住宅を借りて連句の会も開催大いに盛り上がった。吟行には総勢13人が参加。旧田中家をお休みどころにして、梅園や歴史を物語る移築建築物などを散策し、連句を14句目(全体36句の「歌仙」様式)まで巻いたところでお開きとなった。
吟行句会は兼題を「梅」、席題を「戦、諍い」、嘱目の三句とし、当日その場で句会を開く予定だったが、杉山三薬吟行幹事の采配で恒例のメール句会とすることに決定、12人から36句の投句があった。5句選の結果、最高6点には三薬さんの「大欅囲む手と手の暖かさ」が輝いた、また二席5点には嵐田双歩さんの「大店の遅日の部屋を昼の酒」が入った。
《参加者13人》嵐田双歩、今泉而云、岩田三代、大澤水牛、杉山三薬、鈴木雀九、鈴木玲子(夫人)、須藤光迷、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、廣田可升、向井愉里。
《吟行参加者代表句》
大店の遅日の部屋を昼の酒 嵐田 双歩
古民家へ一歩一歩や春の泥 今泉 而云
春の雪藁屋根つたひ滴りぬ 岩田 三代
白梅の香り立ちたる行在所 大澤 水牛
大欅囲む手と手の暖かさ 杉山 三薬
土黒く土温くして福寿草 鈴木 雀九
七段の雛は薬種屋蔵造り 須藤 光迷
梅見する心の隅にウクライナ 田中 白山
日の匂ふ昔戦さ場福寿草 谷川 水馬
せめぎあふ和洋たんぽぽ古戦場 玉田春陽子
苦吟する連句の庭に梅二輪 廣田 可升
残雪に青き武者像凛と立ち 向井 愉里
(まとめ 谷川水馬)