令和5年は新宿繁華街を20人で巡る
日経俳句会と番町喜楽会は合同で1月7日(土)に新宿区内の七社寺を巡る「新宿山ノ手七福神」吟行を催した。快晴、ポカポカ陽気に恵まれた新春恒例の吟行には20人が参加。飲食店街やホテル街を通り抜ける7キロ弱の行程を、一部地下鉄も利用しながら全員がのんびりと巡り終えた。夕暮れとともに神楽坂の料理屋「椿々」にうち揃い、和洋混合の料理を堪能しながら竹酒に酔い、吟行を打ち上げた。吟行後に恒例のメール句会を実施、19人から57句の投句があった。5句選の結果、最高7点には嵐田双歩さんの「銀舎利を黄金に染めて寒卵」と谷川水馬さんの「福詣まづ奪衣婆に睨まれて」並んだ。二席6点には廣田可升さんの「ほろ酔ひを照らす満月松の内」が入り、三席5点は杉山三薬さんの「七並べ七日七草七福神」だった。参加者全員の代表句は以下の通り(三席までの作者は別の句を掲載)
地下鉄の地下道長き七日かな 嵐田 双歩
シャンパンの乾杯となる福詣 今泉 而云
猿の顔欠けし塔あり冬の暮 岩田 三代
飲み屋街縫って巡るや七福神 植村 方円
粥腹のたぷたぷ鳴るや福詣 大澤 水牛
初吟行鳩に米撒く好々爺 岡田 鷹洋
初席やぽつり末廣ビルのかげ 金田 靑水
善き國に辿り着きたり七福神 杉山 三薬
徒歩メトロ七福めぐりハイブリッド 鈴木 雀九
七福神今年も閻魔に怒られて 澤井 二堂
寺社七つ悪所をかすめ初吟行 須藤 光迷
抜弁天水清くして鯉五匹 田中 白山
布袋みてチャック確かめ冬ズボン 谷川 水馬
宴席に傘寿迎へし布袋さま 徳永 木葉
寒の入ホテルに消えた今弁天 中沢 豆乳
肉太の昇太の名札初高座 中村 迷哲
風俗街縫ふて七福詣かな 廣田 可升
外ツ国の人も参詣福の神 前島 幻水
椿々の長屋の奥で初笑ひ 向井 愉里
《参加者》嵐田双歩、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、杉山三薬、鈴木雀九、鈴木玲子(夫人)、澤井二堂、須藤光迷、田中白山、谷川水馬、徳永木葉、中沢豆乳、中村迷哲、廣田可升、前島幻水、向井愉里
(まとめ 中村迷哲)