第18回日経俳句会賞決定

英尾賞に玉田氏「ストロー」

中村・髙石・向井・杉山氏に俳句会賞

令和4年度『日経俳句会賞』(第18回)の授賞式が12月21日の下期合同句会後に行われた。日経俳句会英尾賞は玉田春陽子「ストローをのぼる空色夏来る」が受賞。日経俳句会賞には中村迷哲「豆腐屋の槽(ふね)満々と寒の水」をはじめ髙石昌魚「年甲斐もなきシャツの色竹の春」、向井愉里「焼芋や女系家族のケセラセラ」、杉山三薬「忠敬も林蔵も居て初歩き」の4作品が選ばれた。髙石、杉山氏は3回目、玉田、中村、向井氏は2回目の受賞。

嵐田選考委員会幹事から選考経過の説明があり、徳永幹事長から受賞者に賞状と副賞が手渡された。この後、大澤水牛、今泉而云両顧問が掛け合いの形で温かみのある句評を披露した。

授賞式に引き続いて年末懇親会を開催。コロナ感染防止に留意し、着席と立食を織り交ぜた形式で実施した。テーブルには缶ビール、日本酒、ワインが並び、ピザや稲荷ずしを肴に歓談の輪が広がった。席上、受賞の5人がそれぞれ喜びを語ったが、三月に膵臓がんが見つかった髙石昌魚氏が「受賞を励みに、病気に負けず句作を続けたい」と決意を述べると、ひときわ大きな拍手が沸いた。

《日経俳句会賞英尾賞》

ストローをのぼる空色夏来る       玉田春陽子

《日経俳句会賞》

豆腐屋の槽(ふね)満々と寒の水     中村 迷哲

年甲斐もなきシャツの色竹の春      髙石 昌魚

焼芋や女系家族のケセラセラ       向井 愉里

忠敬も林蔵も居て初歩き         杉山 三薬

《次点》

大宇宙星が星食う冬の夜徳永       徳永 木葉

海鳴りを聞きて五浦の石蕗の花      岩田 三代

家族葬にてとの便り秋時雨        須藤 光迷

(報告 嵐田双歩)

 

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