「芭蕉忌」と「河豚」を詠む
満智さんが「暮れの秋」7点でトップ
春陽子さん「妻の独り言」が次席6点
番町喜楽会は令和3年11月の例会(通算第189回)を1日、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。20人から投句があり、コロナウイルスの緊急事態宣言が解除されたことなどから、15人が顔を揃えた。兼題は「芭蕉忌」と「河豚」、投句は3句以上5句以内、選句は6句(欠席者は5句)とした結果、斉山満智さんの「病むこともまた生きること暮れの秋」が7点でトップ、次席6点に玉田春陽子さんの「秋寒や妻にふえたる独り言」が入った。三席は5点で塩田命水さんの「手術後の妻の手温し秋日和」、徳永木葉さんの「河豚のひれ青き炎の酒の中」、前島幻水さんの「大川の流れも過客芭蕉の忌」の3句が並んだ。4点が2句、3点も2句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「芭蕉忌」
大川の流れも過客芭蕉の忌 前島 幻水
吟行の軽きシューズや翁の忌 今泉 而云
時雨忌や籠り居に増す旅ごころ 前島 幻水
「河豚」
河豚のひれ青き炎の酒の中 徳永 木葉
客寄せに吊るされ河豚の膨れ面 中村 迷哲
「雑詠」
病むこともまた生きること暮れの秋 斉山 満智
秋寒や妻にふえたる独り言 玉田春陽子
手術後の妻の手温し秋日和 塩田 命水
霜降と聞いて一枚羽織る夜 大澤 水牛
【出席者】(15人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、前島幻水。【投句参加者】(5人)斉山満智、田中白山、谷川水馬、野田冷峰、山口斗詩子。 (報告・須藤光迷)