春陽子句「白牡丹」独走の8点
次席に水馬・迷哲・可升の3人
番町喜楽会の令和3年5月の例会(通算第183回)は三度目のコロナウイルス緊急事態宣言を受け、10日にメール句会として開催した。投句は3句以上5句以内で5月3日に、選句は6句で10日に締め切りとした。兼題は「四十雀」と「牡丹」。この結果、玉田春陽子さんの「夕闇の包み忘れし白牡丹」が8点でトップを独走、7点と6点がなく、5点に谷川水馬さんの「別腹は魔法の言葉柏餅」、中村迷哲さんの「泰然と風に頷く牡丹かな」、廣田可升さんの「焼くだけの男の料理風薫る」の3句が並んだ。4点は6句、3点は3句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「四十雀」
この街が好きと高音で四十雀 金田 青水
勤行に和する囀り四十雀 中村 迷哲
嬉しげに四十雀鳴く今日は晴れ 斉山 満智
散歩する爺と五歳と四十雀 廣田 可升
「牡丹」
夕闇の包み忘れし白牡丹 玉田春陽子
泰然と風に頷く牡丹かな 中村 迷哲
待つごとく誘ふがごとく白牡丹 廣田 可升
耐えきれず雨後の牡丹の崩れ散る 嵐田 双歩
「当季雑詠」
別腹は魔法の言葉柏餅 谷川 水馬
焼くだけの男の料理風薫る 廣田 可升
果樹園の家族総出や林檎咲く 堤 てる夫
陽をはじく大地の鏡田水張る 徳永 木葉
骨折の足延ばす先緑さす 山口斗詩子
《参加者20人》嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、斉山満智、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。 (報告・須藤光迷)