番町喜楽会第176回例会

 

14人出席、「厄日」と「秋草」を詠む

春陽子さん7・5・4・3点のサイクル安打

番町喜楽会は令和2年9月の例会(通算第176回)を7日、九段下の千代田区立生涯学習館で開催した。日中の気温は31度を超え、コロナウイルス騒ぎも収まってはいないのに、句会には14人が顔を揃えた。兼題は「厄日」と「秋草」で、投句5句、選句6句で句会を進めた。最高は7点で玉田春陽子さんの「それほどの期待もされず案山子立つ」、次席6点は廣田可升さんの「地方紙に秋草くるみ帰京せり」、三席5点は春陽子さんの「爪切つて身の軽くなる厄日かな」だった。春陽子さんはこの他に4点、3点も獲得という大当たり。4点は3句、3点は11句あった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「厄日」

爪切つて身の軽くなる厄日かな       玉田春陽子

忘れ物今日は三つ目厄日かな        斉山 満智

水吸ふて厄日の砥石深き色         嵐田 双歩

打つ度に釘ひん曲がる厄日かな       玉田春陽子

二百十日復旧未だ千曲川          堤 てる夫

古雨戸父と釘打つ厄日かな         中村 迷哲

二百十日総理辞任の大嵐          前島 幻水

「秋草」

地方紙に秋草くるみ帰京せり        廣田 可升

秋草や買い手のつかぬ一等地        玉田春陽子

歩荷行く尾瀬の秋草揺れにけり          嵐田 双歩

秋草の彩り豊かままごと膳         須藤 光迷

「雑詠」

それほどの期待もされず案山子立つ     玉田春陽子

海風の抜ける道なり青蜜柑         須藤 光迷

雲ひとつ無くてぎらぎら地蔵盆       大澤 水牛

這うようにたどり着きたる九月かな     斉山 満智

小流れの底の罅割れ残暑光         須藤 光迷

藤袴咲いた咲いたよ妻の声         堤 てる夫

【参加者】(出席14人)池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。(欠席投句8人)嵐田双歩、大下明古、斉山満智、澤井二堂、谷川水馬、徳永木葉、星川水兎、山口斗詩子。  (報告・須藤光迷)

 

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