“コロナ第二波”か、出席は11人に
「夜の秋」と「新蕎麦」を詠む
番町喜楽会は、令和2年8月例会(通算175回)を8月1日(土)午後6時から、「夜の秋」と「新蕎麦」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は21名、投句数は103句あったが、会場に集まったのは11名に留まった。投句5句、選句7句(欠席投句者は5句選)の結果、大澤水牛さんの「長梅雨やうらなり茄子へぼ胡瓜」が6点でトップに輝いた。次席は斉山満智さんの「ふたりいてひとりの孤独夜の秋」、玉田春陽子さんの「ステテコの中途半端を愛しけり」、前島幻水さんの「父の忌は二八新蕎麦越の酒」の5点句3句が続いた。以下、4点3句、3点6句、2点21句、1点29句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「夜の秋」
ふたりいてひとりの孤独夜の秋 斉山 満智
老犬のゆたかないびき夜の秋 金田 青水
風呂の窓半分閉めて夜の秋 嵐田 双歩
ポロシャツの短き袖に夜の秋 池内 的中
上掛けを足して丸まる夜の秋 高井 百子
カルヴァドス含めば甘し夜の秋 廣田 可升
「新蕎麦」
父の忌は二八新蕎麦越の酒 前島 幻水
新蕎麦やくぐる暖簾の武田菱 谷川 水馬
新蕎麦を噛みしめてゐる卒寿かな 嵐田 双歩
新蕎麦を供へ写真に語りかけ 嵐田 双歩
「当季雑詠」
長梅雨やうらなり茄子へぼ胡瓜 大澤 水牛
ステテコの中途半端を愛しけり 玉田春陽子
名ばかりの富士見坂なり大夕焼 廣田 可升
《参加者》【出席11人】今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、田中白山、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加10人】嵐田双歩、池内的中、斉山満智、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、星川水兎、山口斗詩子。 (報告・谷川水馬)