「夜濯」と「ビール」を詠む
青水さん「青田風」で8点、百子さん5点句三連発
番町喜楽会は令和2年7月の例会(通算第174回)を6日、九段下の千代田区立生涯学習館で開催した。兼題は「夜濯」と「ビール」。投句5句、選句6句で進めた結果、最高は8点で金田青水さんの「青田風マスク外して深呼吸」、次席6点に廣田可升さんの「市松に座る映画や梅雨寒し」が入った。三席は5点で高井百子さんが「夜濯や教師の母の背のまるし」「この頃は客人もなし蛍草」「桑の実の熟れて蚕の里廃る」と三連打、そこに中村迷哲さんの「鯵寿司とビールの車窓伊豆の海」と谷川水馬さんの「口下手は父親譲り山椒魚」、玉田春陽子さんの「夜濯ぎや背番号なきユニフォーム」が加わり6句が並んだ。4点は1句、3点は3句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「夜濯」
夜濯や教師の母の背のまるし 高井 百子
夜濯ぎや背番号なきユニフォーム 玉田春陽子
夜濯や今日落としたき汚れあり 斉山 満智
「ビール」
鰺寿司とビールの車窓伊豆の海 中村 迷哲
処方箋にビール書き足すチェコの医師 大澤 水牛
これまでと畳む釣竿缶ビール 玉田春陽子
「当季雑詠」
青田風マスク外して深呼吸 金田 青水
市松に座る映画や梅雨寒し 廣田 可升
この頃は客人もなし蛍草 高井 百子
桑の実の熟れて蚕の里廃る 高井 百子
口下手は父親譲り山椒魚 谷川 水馬
テレワーク終へてTシャツ半ズボン 前島 幻水
《参加者》【13人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、前島幻水。【欠席投句7人】池内的中、斉山満智、塩田命水、谷川水馬、野田冷峰、星川水兎、山口斗詩子。 (報告・須藤光迷)