酔吟会第145回例会

コロナウイルスおさまらず、メール句会に

「啓蟄」と「霞」、最高五点に水牛、百子、鷹洋、三薬、可升が並ぶ

新型コロナウイルスの感染者が増え続け、酔吟会の第145例会は3月14日(土)の開催を断念、メール句会に切り替えた。平成8年(1996年)5月発足の酔吟会は、「座の文芸」の伝統に則り、メンバーが席について短冊に句を書いて投句、清記、選句、講評という伝統的な句会形式で運営してきた。世界的なウイルス蔓延の中で発足以来24年目にして初めて伝統形式を破った。

メール句会は兼題「啓蟄(けいちつ)」「霞(かすみ)」と「当季雑詠」の計5句を投句、幹事が作成した選句表を会員に配信し、選句6句と短評を幹事に送信、それを整理集約する方式でメール句会を実施した。参加者は22人、投句総数は110句だった。最高点は5点で、「考へる人となりをり春霞 水牛」、「撥ねて散る洗車の水の春もよう 鷹洋」、「虫穴を出て子供らは家の中 三薬」、「啓蟄や散歩嫌いの夫の居て 百子」、「啓蟄の蟻見て飽きぬ子の背中 可升」の5句が勢揃い。続く4点句には7人が並んだ。以下、3点6句、2点12句、1点27句。3点以上の兼題別高点句は次の通り。

「啓蟄」

虫穴を出て子供らは家の中        杉山 三薬

啓蟄や散歩嫌いの夫の居て        高井 百子

啓蟄の蟻見て飽きぬ子の背中       廣田 可升

啓蟄の古物回収おんな声         徳永 木葉

啓蟄や一鍬大地動き出す         野田 冷峰

「霞」

考へる人となりをり春霞         大澤 水牛

復興の千曲河岸霞立つ          高井 百子

春霞ナビにない道現れて         徳永 木葉

ぽつくりの音する花街夕霞              廣田  可升

朝霞女駅長白スーツ           星川 水兎

「当季雑詠」

撥ねて散る洗車の水の春もよう      岡田 鷹洋

列つくりかるめ焼き買ふ日永かな     谷川 水馬

花輪立てパン屋開店春日向        玉田春陽子

春場所や空の客席空柄杓         堤 てる夫

睡蓮の紅の芽のぞく暖かさ        大澤 水牛

山笑ふ鉄橋の貨車長々と         岡田 鷹洋

歩き来て手に掬ひ呑む春の水       金田 青水

初午に地口行灯朱の鳥居         久保 道子

《参加者》嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、片野涸魚、金田青水、工藤静舟、久保道子、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、星川水兎。

(報告 高井百子)

 

 

This entry was posted in 句会報告. Bookmark the permalink.

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>