新型コロナウイルス蔓延で中止、メール句会に
番町喜楽会の令和2年3月例会(通算170回・3月1日開催予定)は、新型コロナウイルスのために中止、メール句会になった。クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の船客・船員七百余人の集団感染は別件と見做すべきで、そうなると日本国内で見つかった感染者は300人程度なのに、安倍首相以下国内は蜂の巣を突いたような大騒ぎで、いろいろな催しが次々に中止になり、国や地方公共団体の施設は休館。句会をやりたくても会場が無いということになってしまった。
安倍首相は突然、日本全国の小中高校を一斉休校に言い出し、4月に迎えるはずだった習近平中国国家主席の訪日の延期を決めた途端に中国韓国からの旅行者を事実上シャットアウトするといった遅蒔きながらの“水際作戦”を打ち出している。ウイルス感染者を一刻も早く見つけて隔離するのが今最も求められていることなのに、「検査体制が整っていない」のでそれが出来ない。ウイルス検査能力は一日4千人弱で、韓国の十分の一以下である。「韓国では一日に500人もの新たな感染者が発見されているが、日本は30数人」などと言って喜んでは居られない。検査人数が少なければ感染者発見数が少なくなるのは当たり前である。何とかして東京オリンピックはやりたい。そのために感染者数を増やさぬよう、検査体制の不備を言っているのではないかと勘繰りたくもなる。
句会が出来なくなった腹立ち紛れにこんなことを言っているわけではない。今回のコロナウイルス騒動で日本政府が打つ手がどうも腑に落ちないことが多すぎるのだ。クルーズ船の船内でウイルス感染者が出たというのに、厚生労働省は従来の検疫方法を守り、乗客乗員を密閉空間の船内に半月も閉じ込め、実にノロい検査をやっていた。この間に新たな感染者を次々に増やしてしまった。国内でのウイルス検査体制の整備増強にも手をこまぬいていた。それが災いして市中感染が増え始め、日本国内での新たな感染者はむしろ増える傾向にある。これはもう、行政の責任であり、政治の責任である。
オリンピックなどイギリスが肩代わりしてもいいよと言っているのだから、さっさと譲り渡して、ゆっくり句会が開ける平和な日本を取り戻して欲しい。
句会報告とは全然関係無い話になってしまった。
第170回の兼題は「春の日」と「蛤」。本来なら雛祭を中心に、麗らかな春の日を謳歌する句会になった筈だったのである。メール句会の結果、兼題別の高点句は以下のようになった。
「春の日」
春の日や再雇用とて白髪染め 谷川 水馬
かさかさの手に春の日のやはらかし 金田 青水
渡されし子に春の日の匂ふかな 今泉 而云
「蛤」
塗り椀に蛤汁のうすにごり 星川 水兎
魚河岸で煮蛤の握り昼の酒 中沢 豆乳
「当季雑詠」
雛祭ふたりで祝う家となり 須藤 光迷
ウイルスが巨船を止める春寒し 前島 幻水
八幡の隣は不動草の餅 徳永 木葉
春浅し膝いそがしき三輪車 玉田春陽子
(報告 大澤水牛)
栃木県鹿沼市に定年後移住して畑をやってます。
俳句は3年前友人が主宰する「百樹蕾」に入り、始めました。
ネットで季語を確かめながら、俳句をつくっています。
公明新聞2020.3.20(金)にて貴会と今泉恂之介さんを知りました。
正岡子規が怖いもの知らずの俳句破壊人だったことを初めて知りました。痛快です。
牡丹餅やコロナ来るなの彼岸哉/森正之
わが家はぜんぶ妻の手作りで、もち米ご飯に小豆餡を載せ「牡丹餅丼」を美味しく頂きました。
コロナパンデミックの一日も早い終息を祈ります。