番町喜楽会第168回例会

「息白し」と「都鳥」を詠む

廣田可升さんが5点句でトップ

番町喜楽会は、令和元年12例会(通算168回)を12月7日(土)午後6時から、「息白し」と「都鳥」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は22名で、投句数は104句。そのうち15名が会場に集まり句会を始めた。投句5句、選句6句の結果、廣田可升さんの「踏ん切りのつかぬ帰郷や都鳥」が5点でトップに輝いた。また、斉山満智さんの「また悔いの一つ増えたる師走かな」、塩田命水さんの「向かひ合ふ距離の近さや置炬燵」、谷川水馬さんの「冬大路信号守る親子鹿」、玉田春陽子さんの「息白く人それぞれに始発駅」、そして中村迷哲さんの「テスト日の寡黙なる列白き息」の4点句5句が続いた。以下、3点が9句、2点が16句、1点句が31句あった。兼題別の高点句(三点以上)は次の通り。

「息白し」

息白く人それぞれに始発駅             玉田春陽子

テスト日の寡黙なる列白き息            中村 迷哲

まえうしろ子を乗せママの息白し          徳永 木葉

「都鳥」

踏ん切りのつかぬ帰郷や都鳥            廣田 可升

夕映えのスカイツリーや都鳥            須藤 光迷

なれそめは鴨川の土手ゆりかもめ          谷川 水馬

「当季雑詠」

また悔いの一つ増えたる師走かな          斉山 満智

向かひ合ふ距離の近さや置炬燵           塩田 命水

冬大路信号守る親子鹿               谷川 水馬

きのふまでそこにゐたのよ日向ぼこ         大澤 水牛

教皇の被爆地に立つ時雨傘             澤井 二堂

初雪や子の恋人の来ると言ふ            田中 白山

一茶忌や大徳利で出る蕎麦湯            玉田春陽子

路地深き鍋屋横丁小夜しぐれ            玉田春陽子

行き止まるレールの錆びて山時雨          中村 迷哲

《参加者》【出席15人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加7人】池内的中、大下綾子、斉山満智、澤井二堂、須藤光迷、星川水兎、山口斗詩子。  (報告・谷川水馬)

 

 

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