旧中川沿い吟行及び廣田可升亭句会
初めての席題方式で「立夏」と「橋」を詠む
双歩、木葉、水兎、5点句でトップを分ける
元号が平成から令和に改まった初回の番町喜楽会第161回例会は、10連休最後の一日、令和元年5月6日(月)に開催した。振替休日に当たりいつもの九段下・生涯学習館が閉館、一時は例会中止の案がだされたが、廣田可升さんのご好意により、江東区旧中川沿いの吟行と廣田可升亭を会場とした吟行句会を開催することができた。
午前十時、都営新宿線東大島駅大島口に15名が集合。亭主可升が席題「立夏」「橋」を発表、いよいよ江戸の歴史をたどる吟行がスタート。まずは江戸の水運の玄関口に置かれた関所、中川船番所跡に出来た資料館を訪問、キュレーターから当時の江戸湾、荒川、中川、そして隅田川に繋がる小名木川の様子などを聞いた。その後は川の駅で水陸両用バス「スカイダック」が水しぶきを上げて川に飛び込む情景を見物、小松川公園を経由して旧中川沿いをふれあい橋まで、土手に群れ咲く晩春初夏の野の草花を愛でつつ吟行した。凡そ一万歩強の散策後、廣田可升亭で昼食、句会を始めた。
投句3句、選句5句で句会を行った結果、嵐田双歩さんの「大橋を三つ並べて夏の川」、徳永木葉さんの「水陸車上がるしぶきも夏の入り」、星川水兎さんの「野の花を摘んで立夏の川の道」の3句が5点でトップに輝いた。以下、4点句が3句、3点句が6句、2点句が7句、1点句が16句という結果だった。席題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「立夏」
水陸車上がるしぶきも夏の入り 徳永 木葉
野の花を摘んで立夏の川の道 星川 水兎
水滑るオールの先に夏来る 嵐田 双歩
一人乗り蛇行カヌーの立夏かな 堤 てる夫
逆上る立夏の潮や小名木川 今泉 而云
駅出て青龍像の立夏かな 玉田春陽子
「橋」
大橋を三つ並べて夏の川 嵐田 双歩
夏帽子飛んで追いかけ亀小橋 星川 水兎
初夏のふれあい橋でおり返す 高井 百子
「雑詠」
川またぐ駅は五月の川の駅 田中 白山
薫風や江東江戸川くまたがり 大澤 水牛
連休は父の子守や初夏の風 高井 百子
《参加者》嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、澤井二堂、高井百子、田中白山、
谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、
星川水兎、前島幻水、山口斗詩子(以上15名) (報告・谷川水馬)