番町喜楽会第159回例会を開催

 

「彼岸」と「亀鳴く」を詠む

命水さん6・5・4点句の三連打

 

番町喜楽会は4日午後6時半から東京・九段下の千代田区立生涯学習館で、平成31年3月例会(通算第159回)を開催した。兼題は「彼岸」と「亀鳴く」で、投句5句、選句6句で句会を進めた結果、風邪のため急遽欠席となった塩田命水さんがトップ6点の「的中の続く稽古や風光る」をはじめ、5点の「旅芸人しゃぼんの玉に入りけり」、4点の「去る人の深きお辞儀や鳥曇り」と高点句を連発し、さながら一人舞台。最高点6点にはもう1句、高井百子さんの「亀鳴くやスーパームーンの跳ね兎」が並び、5点に玉田春陽子さんの「入彼岸遺影は今も厳父慈母」が続いた。4点には大澤水牛さんの「すいぎゅうと鳴きしは亀か朦朧か」、須藤光迷さんの「春浅し位牌の父にチョコを分け」、田中白山さんの「噺家の羽織すべらし春の色」に、今月から俳号「迷哲」を名乗ることになった中村哲さんの「亡き友と昼酒を酌む彼岸かな」が加わり、計5句。3点は7句だった。

兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「彼岸」

入彼岸遺影は今も厳父慈母        玉田春陽子

亡き友と昼酒を酌む彼岸かな       中村 迷哲

彼岸過ぐ心は冬に置いたまま       斉山 満智

食ひ違ふ父の享年春彼岸         谷川 水馬

大屋根の足場を解くや彼岸前       玉田春陽子

下町の露店華やぐ入彼岸         中村 迷哲

「亀鳴く」

亀鳴くやスーパームーンの跳ね兎     高井 百子

すいぎゅうと鳴きしは亀か朦朧か     大澤 水牛

亀鳴くや見やう見まねのフラダンス    大下 綾子

亀鳴くや五百羅漢の裏あたり       星川 水兎

「当季雑詠」

的中の続く稽古や風光る         塩田 命水

旅芸人しゃぼんの玉に入りけり      塩田 命水

去る人の深きお辞儀や鳥曇り       塩田 命水

春浅し位牌の父にチョコを分け      須藤 光迷

噺家の羽織すべらし春の色        田中 白山

育て上げしは男児三人雛あられ      廣田 可升

《参加者》(出席15人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。(欠席投句6人)大下綾子、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、谷川水馬、山口斗詩子。     (報告・須藤光迷)

 

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