日経俳句会、番町喜楽会、三四郎句会から34名が参加
俳句の普及振興を事業目的とするNPO法人双牛舎は6月30日(土)、東京・二番町の東京グリーンパンレスのレストラン「ジャルダン」で第11回年次総会を開催し、メンバーである日経俳句会、番町喜楽会、三四郎句会の会員34名が参加した。大澤水牛代表理事が一年を総括する挨拶を行い、堤てる夫理事が今後の双牛舎の新体制や「わたしの俳句館」の運営状況などについて報告した。続いて、昨年度俳句大会の上位入賞者に赤池渓舟先生揮毫の短冊が贈呈され、その後は恒例の「俳句大会」が開催され、総会は大いに盛り上がった。
俳句大会は第2回総会から実施され、10回目の今回は、「蛍」の兼題句と雑詠句の計2句を事前に投句、会場に掲示された大型選句一覧表に「選句シール」を5句ずつ貼付する方式で選句した。投句総数は88句。
最高の「天」賞に輝いたのは、石丸雅博さんの「寝間までも蛍飛び交ふ母の里」と、金田青水さんの「旧道や蜥蜴きらめく土の壁」の9点句2句。「地」賞は8点で嵐田双歩さんの「蟻の来て斃れし蟻を運びけり」。「人」賞は印南進さんの「老夫婦十薬咲くに任せたり」、澤井二堂さんの「蛍篭五匹もらいて道灯り」、竹居照芳さんの「蛍見た疎開の昭和二十年」、廣田可升さんの「いっせいに水切るオール梅雨晴間」の7点句が続いた。「入選」は片野涸魚さんの「蚊帳の中君は蛍を放ちけり」、渡邉信さんの「漆喰の闇に画を描く蛍かな」の6点句2句だった。
陶芸にいそしんでいる須藤監事の陶芸作品や大澤代表理事の手造り梅干しや梅酒などが賞品として提供され、「天」「地」「人」「入選」の作者のみならず、高得点の方々に贈られた。今回の入賞作(天、地、人及び入選)は書家赤池溪舟さん揮毫の短冊として来年の俳句大会の席でそれぞれの作者に贈られる。
第10回俳句大会入賞作品は次の通り。
「天」
寝間までも蛍飛び交ふ母の里 石丸 雅博
旧道や蜥蜴きらめく土の壁 金田 青水
「地」
蟻の来て斃れし蟻を運びけり 嵐田 双歩
「人」
老夫婦十薬咲くに任せたり 印南 進
蛍篭五匹もらいて道灯り 澤井 二堂
蛍見た疎開の昭和二十年 竹居 照芳
いっせいに水切るオール梅雨晴間 廣田 可升
「入選」
蚊帳の中君は蛍を放ちけり 片野 涸魚
漆喰の闇に画を描く蛍かな 渡邉 信
(まとめ・谷川 水馬)