19名で「夏至」と「紫陽花」を詠む
投句の3分の2に点が入る大混戦
番町喜楽会の平成30年6月例会(通算151回)が、6月2日(土)午後6時から九段下の千代田区立生涯学習館で開かれた。兼題は「夏至」と「紫陽花」で、投句者は19名、投句総数は95句だった。この日の出席者は14名といつもより少なめだったが、句会はいつもと同じように活発な発言があり、盛り上がった。
句会はいつも通り投句5句、選句6句で行われたが、兼題が難しかったせいか、佳句が揃ったせいなのか、票が割れに割れた。最高点が5点で徳永木葉さんの「六月の闇に消えゆく嘘いくつ」のわずか1句。次席4点も高井百子さんの「絹さやの筋引く母の昼下がり」と廣田可升さんの「来ぬ人や不忍口に夏至の雨」の2句に止まった。以下、3点7句、2点16句、1点32句と、何と投句総数の3分の2に点が入るという乱戦であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「夏至」
来ぬ人や不忍口に夏至の雨 廣田 可升
眉太く描きて夏至の女かな 今泉 而云
平成の最後の夏至やソーキ蕎麦 須藤 光迷
家中の蛇口を磨き夏至ひと日 玉田春陽子
「紫陽花」
強羅まで登山軌道に七変化 中村 哲
「雑詠」
六月の闇に消えゆく嘘いくつ 徳永 木葉
絹さやの筋引く母の昼下がり 高井 百子
初生りの親指ほどの胡瓜かな 大澤 水牛
捨てられぬ万年筆や五月闇 廣田 可升
古本屋ふえし谷中や山法師 星川 水兎
《参加者》【出席14人】嵐田双歩、大澤水牛、塩田命水、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、氷室冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。【投句参加5人】池内的中、今泉而云、斉山満智、澤井二堂、須藤光迷。 (報告・谷川水馬)