「花冷え」と「蛙の目借時」を詠む
番町喜楽会の平成30年4月例会(通算149回)が4月7日(土)午後6時から、「花冷え」と「蛙の目借時」を兼題として九段下の九段生涯学習館で開かれた。投句者は20名、そのうち15名が会場に集まり句会を始めた。投句総数96句、投句5句選句6句で選句・披講の結果、玉田春陽子さんの「花冷や細き闇おく京格子」が9点でトップに輝いた。また、塩田命水さんの「登校の列は背の順百千鳥」、玉田春陽子さんの「瀞渡る風に遅れて花吹雪」の5点句が続いた。以下、4点が2句、3点8句、2点18句、1点が23句という結果だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「花冷え」
花冷や細き闇おく京格子 玉田春陽子
山下りて花冷えと知る駅の椅子 大澤 水牛
花冷えの病棟静か母眠る 斉山 満智
お酌する新入社員花の冷え 田中 白山
妹のバス待つ姉や花の冷え 谷川 水馬
朝粥に花冷え癒やす京の宿 徳永 木葉
花の冷え母のまつ毛の白さかな 星川 水兎
「蛙の目借時」
拝啓と書きて続かず目借時 須藤 光迷
授乳する嫁は蛙の目借時 高井 百子
とろけ出す歯科医の声や目借時 須藤 光迷
「雑詠」
登校の列は背の順百千鳥 塩田 命水
瀞渡る風に遅れて花吹雪 玉田春陽子
いかなごの釘煮ください海の駅 徳永 木葉
《参加者》【出席15人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、斉山満智、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、氷室冷峰、星川水兎、前島幻水。【投句参加5人】池内的中、大下綾子、中村哲、廣田可升、山口斗詩子。 (報告・谷川水馬)