番町喜楽会第145回例会

 

「渡り鳥」と「冬隣」を詠む

谷川水馬さん7点句でトップ

 

番町喜楽会の平成29年11月例会(通算145回)は、6日午後6時半から、「渡り鳥」と「冬隣」を兼題として東京・九段下の蕎麦処「丸屋」で行われた。通常、奇数月の会場は千代田区生涯学習館なのだが、イベントで使用できなくなったため振り替えたもの。投句5句、選句6句の結果、最高は谷川水馬さんの「空を嗅ぐホッキョクグマや冬隣」で7点。次席の6点には徳永正裕さんの「初霜の畑に残る菜屑かな」、三席には堤てる夫さんの「冬隣刈田にかかる山の陰」、中村哲さんの「それぞれに故郷のあり鳥渡る」、星川水兎さんの「冬隣肌のぬくみの帯をとく」の3句が5点で並んだ。4点は2句、3点は7句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「渡り鳥」

それぞれに故郷のあり鳥渡る       中村  哲

一望の洛中洛外鳥渡る          廣田 可升

一日(ひとひ)ごと賑はふ沼や渡鳥    前島 幻水

夕映えの国会議事堂鳥渡る        今泉 而云

鳥渡るビルの谷間に人流れ        塩田 命水

「冬隣」

空を嗅ぐホッキョクグマや冬隣      谷川 水馬

冬隣刈田にかかる山の陰         堤 てる夫

冬隣肌のぬくみの帯をとく        星川 水兎

ぬる燗を交はす友亡く冬隣        池内 的中

黄昏の両手ポケット冬隣         田中 白山

酒蔵の米蒸すけむり冬隣         徳永 正裕

「雑詠」

初霜の畑に残る菜屑かな         徳永 正裕

秋霖の真田の里は鎮まれり        高井 百子

野を焼きし香りとともに父帰る 星川 水兎

『参加者』(出席18人)嵐田双歩、池内的中、井上啓一、今泉而云、大澤水牛、塩田命水、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎。(投句参加4人)齊山満智、澤井二堂、前島幻水、山口斗詩子     (報告・須藤光迷)

 

 

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