兼題は「花火」と「鰻」。堤さん、孫を詠んで最高点
番町喜楽会の平成29年8月例会(通算142回)は、8月5日(土)午後6時から、「花火」と「鰻」を兼題として九段下の割烹「味さと」で開いた。投句者は21名、投句総数101句。当夜は16名が出席した。選句6句で披講の結果、堤てる夫さんの雑詠「小一が俺と言ひ出す夏休み」が7点でトップに輝いた。兼題句では、大下綾子さんの「鰻重を昼食べしこと言ひ出せず」の5点句が最高。以下、4点6句、3点8句、2点13句、1点26句という結果だった。
兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「花火」
蹲踞して力士の線香花火かな 今泉 而云
手花火や痩せて落ちゆく闇の中 髙瀨 大虫
波音を渚に残し花火果つ 玉田春陽子
妻映る夜汽車の窓に遠花火 谷川 水馬
役終える湯屋の煙突遠花火 谷川 水馬
ベランダに並ぶ妻なし遠花火 中村 哲
庭花火あせし写真の兄妹 星川 佳子
「鰻」
鰻重を昼食べしこと言ひ出せず 大下 綾子
鰻待つ酒一合の嬉しさよ 今泉 而云
盥桶のの字くの字の鰻かな 高瀬 大虫
鰻屋の煙に巻かれ仲直り 池内 健治
「雑詠」
小一が俺と言ひ出す夏休み 堤 てる夫
夏野菜スープカレーに九種類 高井 百子
すぐ吠える犬は寝てをり百日紅 嵐田 双歩
夢十夜一夜読んでは冷やし酒 池内 健治
はよ上がれネクタイとれと冷し酒 玉田春陽子
《参加者》
【出席16人】嵐田双歩、池内健治、大澤水牛、齊山満智、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、谷口命水、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、廣田可升、星川佳子、前島幻水。【投句参加5人】今泉而云、大下綾子、澤井二堂、中村哲、野田冷峰。 (報告・谷川水馬)