14人参加で「初夏」「柏餅」を詠む
5点が3句、4点8句の賑やかさ
三四郎句会の2017年5月例会(通算48回)は18日、開始時間を通常より1時間繰り下げ、午後2時半から東京・神田錦町の宗保第二ビル内で行われた。出席者は10人と少なめだったが、岡本崇さんら4人が欠席投句・選句を行った。また石丸さんご紹介の和田真理子さん、山田千春さんが見学し、選句にも参加した。兼題は「初夏(夏初め)」と「柏餅」。選句の結果、「ペダルこぐアオザイ透きて初夏の風」(河村有弘)、「舞い踊る洗濯物や初夏の風」(竹居照芳)、「林道の一瞬の香や朴の花」(宇野木敦子)の3句が最高点の5点で並んだ。また「サイダーの泡のはじけて初夏の風」(石黒賢一)、「初夏の孵化が始まる少女かな」(渡邉信)など4点句が8句も続くという賑やかな結果になった。兼題別の3点以上獲得句は以下の通り。
「初夏」
ペダル漕ぐアオザイ透きて初夏の風 河村 有弘
舞い踊る洗濯物や初夏の風 竹居 照芳
初夏の孵化が始まる少女かな 渡邊 信
サイダーの泡のはじけて初夏の風 石黒 賢一
夏初め母亡き庭の草むしり 石丸 雅博
木洩れ日の千鳥ヶ淵の夏初め 今泉 而云
訪れし初夏の気配に旅衣 宇佐美 諭
忖度のなき日差しうけ夏立てり 宇佐美 諭
夏きざす裏山肥り野鳥(とり)燥ぐ 印南 進
蓼科の草原下る初夏の風 後藤 尚弘
闊歩する女まぶしき夏始 竹居 照芳
初夏の海見えつ隠れつ船二つ 石黒 賢一
「柏餅」
柏餅ふたつ残りて老いの卓 河村 有弘
柏餅ほをばるほほに笑みこぼれ 渡邊 信
柏餅包むおふくろ太き指 石黒 賢一
思い出はみな母のこと柏餅 今泉 而云
「雑詠」
林道の一瞬の香や朴の花 宇野木敦子
阿寒湖の底なきブルー薄暑光 宇野木敦子
鎌倉は晴れて葉桜初鰹 今泉 而云
街路樹は都会の化粧緑濃し 竹居 照芳
◇出席者 石黒賢一 石丸雅博 今泉而云 宇佐美論 宇野木敦子 河村有弘 竹居照芳 深瀬久敬 吉田正義 渡邉信=10人
◇欠席投句選句者 印南進 岡本崇 田村豊生 後藤尚弘=4人
(報告 今泉而云)