双牛舎俳句大会に38名から76句
俳句の普及振興を事業目的とするNPO法人双牛舎は4月15日、東京・二番町の東京グリーンパンレスのレストラン「ジャルダン」で第10回年次総会を開催し、メンバーである日経俳句会、番町喜楽会、三四郎句会の会員27名が出席した。一年を総括する今泉而雲云代表幹事の挨拶などに続いて、恒例の「俳句大会」が開催され総会は大いに盛り上がった。まずは昨年度俳句大会の上位入賞者に赤池渓舟先生揮毫の短冊が贈呈された後、今年度の上位入賞句決定、選句者による句評などが行われた。
俳句大会は第2回総会から実施され、9回目の今回は、「春眠」の兼題句と雑詠句の計2句を事前に投句、会場に掲示された大型選句一覧表に「選句シール」を貼付する方式で各人5句ずつ選句した。投句総数は38人76句。
最高の「天」賞に輝いたのは、徳永正裕さんの「春耕の一鍬ごとに土生まる」で12点。「地」賞は11点で嵐田双歩さんの「散り散りにやがて一つに花筏」。「人」賞は玉田春陽子さんの「そつと息確かめらるる朝寝かな」が9点で続いた。「入選」は7点句が2句、6点句が3句だった。
陶芸にいそしんでいる大澤代表理事と須藤理事からの陶芸作品や大澤代表の手造り梅酒、梅干が賞品として提供され、「天」「地」「人」「入選」の作者のみならず、出席者全員に贈られた。
また今回の入賞作は書家の赤池溪舟さん揮毫の短冊に作られ、来年の俳句大会の席でそれぞれの作者に贈られる予定。
第9回俳句大会入賞作品は次の通り。
「天」春耕の一鍬ごとに土生まる 徳永 正裕
「地」散り散りにやがて一つに花筏 嵐田 双歩
「人」そつと息確かめらるる朝寝かな 玉田春陽子
「入選」
春眠の目覚めやいのち恙なし 河村 有弘
花冷えや云はざる事の二つ三つ 廣田 可升
かいな寄せぬくもり抱き春眠す 久保田 操
春眠の妻起きたるを遠く聞き 深瀬 久敬
春眠や猫来て確かむ吾が寝息 前島 幻水
春眠の読経の中に忍び入る 宇佐美 諭
相席の人妻会釈桜もち 田中 白山
どの空も花花花の上野かな 澤井 二堂
(まとめ・谷川 水馬)