参加20人で「立春」と「鶯」を詠む
番町喜楽会の平成29年2月例会(通算136回)は、2月4日(土)午後6時から、「立春」と「鶯」を兼題として九段下の割烹「味さと」で行われた。出席者は16名、投句参加者は4名、投句総数97句。選句6句で句会を行った結果、山口斗詩子さんの「頼りなき歩幅も伸びて春立つ日」が6点でトップに輝いた。次いで、須藤光迷さんの「もう何も欲しいものなし日向ぼこ」が5点を獲得した。以下、4点3句、3点9句、2点14句、1点が33句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「立春」
頼りなき歩幅も伸びて春立つ日 山口斗詩子
立春の土やはらかく湿りけり 嵐田 双歩
白冨士に笠雲のせて春立てり 星川 佳子
顔ほどの肉饅立春中華街 大澤 水牛
春立つや祖父から届くランドセル 高井 百子
立春や胡桃の新芽ぷくぷくり 谷川 水馬
春立つや鉋の削る檜の香 玉田春陽子
「鶯」
鶯や一筆箋で詫ぶ無沙汰 広田 可升
存分に鶯鳴くや一揆の地 玉田春陽子
鶯の声近うして遙かなり 嵐田 双歩
「雑詠」
もう何も欲しいものなし日向ぼこ 須藤 光迷
足跡はあの黒猫か庭の雪 高井 百子
父と子の肩車行く春の駅 谷川 水馬
勤行の止みて始まる猫の恋 廣田 可升
〈参加者〉【出席16人】嵐田双歩、井上啓一、今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、廣田可升、星川佳子、前島幻水、山口斗詩子、【投句参加4人】池内健治、齊山満智、澤井二堂、野田冷峰
(報告・谷川水馬)