田村豊生さん「妻の背」で最高の6点獲得
三四郎句会の2016年9月例会(第44回)は12日午後1時半から東京・神田錦町の宗保第二ビル内で行われた。出席者は10人。欠席投句、選句を加えて参加者は14人となった。今回の兼題は「墓参」と「蕎麦の花」。選句の結果、「妻の背を流すがごとく墓洗う」が最高点の6点を獲得。「戒名の彫をなぞりて墓洗う」(宇佐美諭)、「江戸捨てた一茶迎えてそばの花」(河村有弘)が5点、「賽の神祀る三叉路蕎麦の花」(岡本崇)、「雲南の見渡す限り蕎麦の花」(竹居照芳)が4点で続いた。
兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「墓参」
妻の背を流すがごとく墓洗う 田村 豊生
戒名の彫をなぞりて墓洗う 宇佐美 諭
瀬戸の海靜かな一日墓参り 石丸 雅博
水は川花は野菊の墓参り 後藤 尚弘
「蕎麦の花」
江戸捨てた一茶迎えてそばの花 河村 有弘
賽の神祀る三叉路蕎麦の花 岡本 崇
雲南の見渡す限り蕎麦の花 竹居 照芳
祖父生家眺めて帰る蕎麦の花 今泉 而云
痩せた地に健気に白しそばの花 河村 有弘
「当季雑詠」
霧迅し船を消し去り島を消し 岡本 崇
◇出席者 石丸雅博、今泉而云、宇佐美諭、宇野木敦子、河村有弘、後藤尚弘、竹居照芳、深瀬久敬、吉田正義、渡邉信、石黒賢一の11人。
◇欠席投句者 印南進、岡本崇、田村豊生の3人。
次回は11月17日(木)午後1時半から神田・宗安第二ビル内で。兼題は「十一月」と「葱(ねぎ)」。
(記録・報告 深瀬久敬)