番町喜楽会第128回例会

 

「夏の月」と「鮓」を詠む

澤井二堂さんが初参加

 

番町喜楽会の平成28年6月例会(通算128回)は、6月4日(土)午後6時から九段下の割烹「味さと」で、「夏の月」と「鮓」を兼題に開催された。風が強かったが空気の乾いた気持ちの良い日で、夕刻には総勢17名の参加者が集結した。今回は澤井二堂さんが自由会員として入会、初投句した。

投句5句、選句6句で句会を進めた結果、大澤水牛さんの「涼しさを封じ込めたり鮎の鮨」と欠席投句だった齊山満智さんの「鯖鮨を食べて確かな帰郷かな」が5点の最高点を獲得した。以下、4点句が5句、3点句が9句、2点句が17句、また1点句が26句という結果で、欠席投句を含め投句合計は94句だった。

兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「夏の月」

鬢付けの去りゆく路地や夏の月 玉田春陽子

聖岳天に座りて夏の月     野田 冷峰

大杉に陽の残りをり夏の月   今泉 而云

送られて別れ難しや夏の月   高井 百子

月涼し水を張りたる田んぼかな 前島 厳水

「鮓」

涼しさを封じ込めたり鮎の鮨  大澤 水牛

鯖鮨を食べて確かな帰郷かな  齊山 満智

大桶の松山鮓や瀬戸の贅    谷川 水馬

夕方の風を入れたりちらし寿司 星川 佳子

朝帰り皿にラップのちらし寿司 今泉 而云

青豆を散らすや母のちらし鮓  田中 白山

鮒の鮓近江に辛き酒を汲む   徳永 正裕

「雑詠」

馬鈴薯の花の畑中通学す    徳永 正裕

六月の冷えや屋久杉大座卓   今泉 而雲

茅葺の駅舎現役桐の花     玉田春陽子

麦秋や穂波まにまにローカル線 堤 てる夫

 

《参加者》

〈出席17名〉嵐田双歩、池内健治、井上啓一、今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、廣田可升、星川佳子、前島巌水〈投句参加3名〉大下綾子、齊山満智、澤井二堂

(まとめ 谷川水馬)

 

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