寒戻る夜、参加32人で「二月」「しゃぼん玉」を詠む
星川さんが最高の8点句
日経俳句会は2月17日(水)午後6時半、千代田区内神田の日経広告研究所会議室で、二月例会(通算146回)を開いた。暖冬から急転、寒の戻りに見舞われたこの日の兼題は「二月」「しゃぼん玉」で、投句参加12人を加え総勢32人から156句が寄せられた。投句5句、7句選句の結果、最高は星川佳子さんの「庭先に色戻りたる二月かな」の8点句。次席は大澤水牛さんの「野菜種子蒔く指硬き二月かな」と、杉山智宥さんの「しゃぼん玉七人兄妹みな長寿」の6点2句。横井定利さんの「梅二月母の頬紅買ひに出る」の5点句が三席に入った。
続く4点句は、嵐田双歩さんの「手土産は空也最中と春の風」、高石昌魚さんの「しゃぼん玉吹く子壊す子後追ふ子」、徳永正裕さんの「朝刊のページの痩せも二月かな」、中嶋阿猿さんの「稲荷旗白抜き映えて梅二月」の4句が並んだ。以下3点11句、2点29句、1点53句。兼題別3点以上の高点句は次の通り。
「二月」
庭先に色戻りたる二月かな 星川 佳子
野菜種子蒔く指硬き二月かな 大澤 水牛
梅二月母の頬紅買ひに出る 横井 定利
朝刊のページの痩せも二月かな 徳永 正裕
稲荷旗白抜き映えて梅二月 中嶋 阿猿
フラミンゴみな片足の二月かな 今泉 而云
早春賦流れ二月の旅心 杉山 智宥
空欄の目立つ二月や日記帳 直井 正
「しゃぼん玉」
しゃぼん玉七人兄妹みな長寿 杉山 智宥
しゃぼん玉吹く子壊す子後追ふ子 高石 昌魚
声荒げ怒る男にしゃぼん玉 植村 博明
飛び立つをためらふもをりしゃぼん玉 大下 綾子
しゃぼん玉ぴくりと動く猫のひげ 加藤 明男
シャボン玉追ふ手追ふ足宇宙泳 堤 てる夫
父吹けば子の壊し行くしゃぼん玉 横井 定利
「雑詠」
手土産は空也最中と春の風 嵐田 双歩
春茜流るるままに余生なほ 高石 昌魚
雪解けて隙間のがさず福寿草 堤 てる夫
膝掛けに珈琲のしみ春浅し 徳永 正裕
参加者(出席)嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、大沢反平、大澤水牛、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、須藤光迷、高瀬大虫、堤てる夫、徳永正裕、中嶋阿猿、野田冷峰、流合研士郎、藤村詠悟、星川佳子、横井定利(投句参加)植村博明、大熊万歩、大下綾子、加藤明男、金田青水、久保田操、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、直井正、廣上正市、藤野十三妹
(まとめ・堤てる夫)