「年忘れ」「白菜」を兼題に盛大な忘年句会
平成27年を締め括る番町喜楽会の12月例会(通算123回)が12月5日(土)午後6時半、千代田区九段北の割烹「味さと」の二階を借り切って開かれた。兼題は「年忘れ」「白菜」で、出席15人、投句参加1人の投句総数80句。6句選句の結果、最高は高瀬大虫さんの「雑踏に一人吟行三の酉」の7点句。次席は6点で、大澤水牛さんの「よき人に囲まれてをり年忘れ」と、須藤光迷さんの「年忘れ喜寿も傘寿も健啖家」の2句が並んだ。三席5点も、今泉而云さんの「忘年会来たぞクラスの原節子」と、玉田春陽子さんの「白菜を赤城颪の端に干す」の2句。続く4点は、須藤光迷さんの「裏返すお好み焼きや隙間風」、春陽子さんの「白菜に重石のぐずる一夜かな」、廣田可升さんの「果てのなきテロル空爆虎落笛」の3句。3点は4句、以下2点10句、1点22句と続いた。
句会の席はそのまま懇親会の場となり、刺身、焼物、寄せ鍋を前に、年忘れの歓談が続いた。この日の兼題別高点句(3点以上)は次の通り。
「年忘れ」
よき人に囲まれてをり年忘れ 大澤 水牛
年忘れ喜寿も傘寿も健啖家 須藤 光迷
忘年会来たぞクラスの原節子 今泉 而云
「白菜」
白菜を赤城颪の端に干す 玉田春陽子
白菜に重石のぐずる一夜かな 玉田春陽子
新弟子の白菜切るや左四つ 廣田 可升
「雑詠」
雑踏に一人吟行三の酉 高瀬 大虫
裏返すお好み焼きや隙間風 須藤 光迷
果てのなきテロル空爆虎落笛 廣田 可升
洛北の時雨を縫ひて一の宮 谷川 水馬
年の瀬や介護ベッドにあるひとり 堤 てる夫
木蓮の輝く冬芽ひとつずつ 堤 てる夫
参加者(出席)嵐田双歩、井上啓一、今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、野田冷峰、廣田可升、星川佳子、前島巌水、(投句参加)徳永正裕。 (まとめ・てる夫)