日経俳句会第144回例会

 

「芭蕉忌」「山茶花」に33人から159句

 

日経俳句会の例会としては本年最後となる第10回(通算144回)が11月18日午後6時半から千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開かれた。出席者18人、投句参加者15人で、「芭蕉忌」「山茶花」に159句が寄せられた。選句の結果、廣上正市さんの「初時雨けふを最後の同期会」の8点が最高で、次席は大沢反平さんの「山茶花や少し幸せ喜寿の朝」の6点句だった。三席5点句は池村実千代さんの「板塀に山茶花のぞく根津のみち」、井上庄一郎さんの「初時雨音なく町を包みけり」、今泉而云さんの「ほうじ茶も空也最中も翁の忌」の4句。続く4点は9句、3点も9句、以下2点21句、1点46句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「芭蕉忌」

ほうじ茶も空也最中も翁の忌       今泉 而雲

時雨忌や間口の広き米穀店        大下 綾子

吟行といふ徘徊や翁の忌         金田 青水

芭蕉忌や近江に続く伊賀の路       須藤 光迷

時雨忌を日がな一日川を見て       横井 定利

芭蕉忌や天地のあはれ少し知り      大倉悌志郎

芭蕉忌や池三めぐりの苦吟かな      澤井 二堂

煮売り屋にしぐれ煮買うも芭蕉の忌    徳永 正裕

「山茶花」

山茶花や少し幸せ喜寿の朝        大沢 反平

板塀に山茶花のぞく根津のみち      池村実千代

山茶花や面を小脇に剣士たち       須藤 光迷

恋知りし山茶花と見ゆ隠し紅       高瀬 大虫

山茶花や園児らバスに競ひ乗る      流合研士郎

山茶花やおしゃべり終はる気配なし    嵐田 双歩

山茶花や花びらにひく薄き紅       井上庄一郎

闇の庭白き山茶花こぼれたり       大熊 万歩

「雑詠」

初時雨けふを最後の同期会        廣上 正市

初時雨音なく町を包みけり        井上庄一郎

祈りをる使徒のごとくやラガーマン    嵐田 双歩

落ち葉掃く認知のひとのをりにけり    廣上 正市

二人して築くは栗の殻の山        須藤 光迷

すれ違ふ人の残り香冬桜         大沢 反平

干し上ぐる大根すだれ奥穂高       谷川 水馬

ざる一枚熱燗二合翁の忌         横井 定利

 

参加者(出席)今泉而云、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、高石昌魚、高瀬大虫、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、流合研士郎、廣上正市、星川佳子、横井定利(投句参加)嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、植村博明、大熊万歩、大下綾子、加藤明男、金田青水、久保田操、須藤光迷、高橋ヲブラダ、直井正、藤野十三妹、藤村詠悟、水口弥生       (まとめ・堤てる夫)

 

 

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