日経俳句会平成27年下期合同句会

 

36人が参加、兼題「年の暮」で締め括る

 

日経俳句会は12月16日(水)の年次総会に引き続いて下期合同句会を開催した。兼題は「年の暮」一般で、出席27人、投句参加9人。事前に3句投句・4句選句をメールで処理する「迅速句会」で年納め。その結果、最高は澤井二堂さんの「煤払い小さき妻におだてられ」の6点句。一年前の下期合同句会に続き連続最高点の二堂さん、英尾賞受賞と重なってお目出度い年の瀬となった。次席は4点で9句、続く3点は12句と、拡散した。2点は19句、1点は28句あった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「年の暮」

煤払い小さき妻におだてられ       澤井 二堂

切り抜きの束積んであり年の際      和泉田 守

千両に鳥除けかぶす師走かな       井上庄一郎

尻餅に舌打ち重ね年の暮れ        植村 博明

年の瀬や豆腐ゆらりと鍋の海       大澤 水牛

年の尾や音立て踊る落し蓋        玉田春陽子

雑踏に異国語混ざる師走かな       流合研士郎

舫い綱切れし舟行く年の暮れ       藤野十三妹

東京にアジアの訛り年の暮れ       嵐田 双歩

年の瀬や嬉しなみだの多かりき      池村実千代

乗り慣れぬ路線を行くも師走かな     大下 綾子

独り居やいつもと同じ年の暮       加藤 明男

歳暮とて野良に釣果の五六匹       金田 青水

がら空きのプールで泳ぐ年の暮      高瀬 大虫

除夜の湯に浸かるいのちの有難し     高瀬 大虫

目をそらす体重計や年の暮        谷川 水馬

瑞兆の掛軸に替へ年暮れる        直井  正

健さんも文太もいない年の暮       野田 冷峰

ロボットに一声かけて年用意       横井 定利

「雑詠」

泥ねぎをつるんつるんとつつがなし    廣上 正市

石畳打ちて凍みこむ京の雨        藤野十三妹

石路の黄に午後の木洩れ日届きたり    今泉 而云

 

参加者(出席)嵐田双歩、和泉田守、井上庄一郎、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、片野涸魚、加藤明男、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、直井正、野田冷峰、流合研士郎、廣上正市、藤野十三妹、藤村詠悟、星川佳子、横井定利(投句参加)池村実千代、植村博明、大石柏人、大熊万歩、大下綾子、金田青水、久保田操、高石昌魚、高橋ヲブラダ。 (記録 堤てる夫)

 

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