番町喜楽会第121回例会

番町喜楽会第121回例会

兼題「秋の燈」「蛇穴に入る」

横山恭子さん入会、鬼一さんが久々登場

番町喜楽会は10月3日(土)夕刻、千代田区九段下の割烹「味さと」に14人のメンバーを集めて10月例会を開催した。「味さと」での例会は二度目。この席には上智大学文学部教授(心理学)の横山恭子さんが紹介者の大下綾子さんとともに参加し、久しぶりに現れた加沼鬼一さんと共に選句の輪に加わった。

この日の兼題は「秋の燈」「蛇穴に入る」で、投句参加者3人を含む17人の投句総数は85句。6句選の句会の結果、最高は田中白山さんの「一軒に秋の灯一つ老いし町」の6点1句。次席は5点句で、谷川水馬さんの「秋の灯の色折りこめてだまし舟」と、廣田可升さんの「独り居の覚束なさよ秋灯」の2句。続く4点句は、高井百子さんの「穴惑ひ三十路女の正念場」、水馬さんの「山霧や大湖を呑みて動かざる」、玉田春陽子さんの「京の路地格子に細き秋ともし」、堤てる夫さんの「白鷺も鴉も群れて刈田風」の4句が並んだ。

次いで3点は5句、2点15句、1点29句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「秋の灯」

一軒に秋の灯一つ老ゐし町       田中 白山

秋の灯の色折りこめてだまし舟     谷川 水馬

独り居の覚束なさよ秋灯        廣田 可升

京の路地格子に細き秋ともし      玉田春陽子

笊揺れる八百屋の軒や秋灯       廣田 可升

「蛇穴に入る」

穴惑ひ三十路女の正念場        高井 百子

温め合ふ夢をさがして穴惑ひ      高瀬 大虫

石垣の穴に蛇入る古砦         高瀬 大虫

「雑詠」

山霧や大湖を呑みて動かざる      谷川 水馬

白鷺も鴉も群れて刈田風        堤 てる夫

曼珠沙華平将門跳梁す         井上 啓一

秋桜風に遊びて遊ばれて        井上 啓一

参加者(出席)嵐田双歩、今泉而雲、大澤水牛、須藤光迷、大下綾子、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、野田冷峰、星川佳子、前島巌水(選句参加)横山恭子(投句参加)井上啓一、徳永正裕、廣田可升     (記録・てる夫)

 

 

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