三四郎句会第38回例会
「秋晴れ」と「蟷螂」を詠む
三四郎句会の平成27年10月例会(第三十八回)は、10月8日午後1時半から東京・神田錦町の宗保第二ビル内で行われた。出席は11人で、岡本崇さん、篠田義彦さんが欠席投句となった。岡本さんは欠席選句を行った。
兼題は「秋晴れ」と「蟷螂」で、選句の結果、河村有弘さんの「秋晴れの何処かふるさと置き忘れ」が最高点の5点を獲得した。河村さんは「秋晴れの伊那を井月酔ひ惑ふ」が4点、「迷ひあり秋晴れ眩しひとり旅」と「沈む陽を睨み蟷螂仁王立ち」が3点を得て、高得点句中に4句を並べる好成績だった。このほかに印南進さんの「秋晴れに出番少なき背広干す」、宇佐美論さんの「秋晴るる江戸散策の地図を手に」、岡本崇さんの「いわし雲墨を打ちたる杉丸太」の3句が4点を獲得した。3点以上の句は以下の通り。
秋晴れの何処かふるさと置き忘れ 河村 有弘
秋晴れに出番少なき背広干す 印南 進
秋晴るる江戸散策の地図を手に 宇佐美 論
いわし雲墨を打ちたる杉丸太 岡本 崇
秋晴れの伊那を井月酔ひ惑ふ 河村 有弘
夜嵐の連れて来たりし秋の晴 石黒 賢一
かまきりや忍者のさまの夜網戸 宇野木敦子
迷ひあり秋晴れ眩しひとり旅 河村 有弘
沈む陽を睨み蟷螂仁王立ち 河村 有弘
蟷螂の野に佇みて古武士かな 篠田 義彦
(記録報告 今泉而云)