第118回酔吟会 「秋の空」「相撲」を詠む
酔吟会の9月例会(通算118回)は9月12日(土)午後1時から千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開催、13人が出席、投句参加が3人だった。兼題は「秋の空」と「相撲」で投句総数は80句。7句選句の結果、最高は6点、大澤水牛さんの「泰平の街ひと呑みに秋出水」と、野田冷峰さんの「つまづけば呼ばるる思ひ秋彼岸」の2句。次席は玉田春陽子さんの「身の丈に風を誘ふや草の花」の5点1句。三席は4点句、今泉而云さんの「手に受けてずしりと露のトマトかな」と、春陽子さんの「優勝に子山羊一頭草相撲」「吾亦紅客なき夜のカウンター」の2句の計3句が並んだ。
この句会で、今泉恂之介さんは俳号「而雲」を「而云」と字画の少ない表記に改めた。読みは「じうん」と変わらない。続く3点句は8句、2点11句、1点17句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「秋の空」
なぜここに嫁いで来たか秋の空 高井 百子
五句できて肘枕して秋の空 谷川 水馬
内股で水飲む麒麟秋の空 谷川 水馬
「相撲」
優勝に子山羊一頭草相撲 玉田春陽子
大関は弟弟子よ脊を洗ふ 今泉 而云
また負けて人気力士の眉間皺 大澤 水牛
凡凡とはや九月場所巡りくる 久保田 操
「雑詠」
泰平の街ひと呑みに秋出水 大澤 水牛
つまづけば呼ばるる思ひ秋彼岸 野田 冷峰
身の丈に風を誘ふや草の花 玉田春陽子
手に受けてずしりと露のトマトかな 今泉 而云
吾亦紅客なき夜のカウンター 玉田春陽子
また一つ廃屋増えてキリギリス 大沢 反平
称名寺月の出を待つ池の端 藤村 詠悟
参加者(出席)大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田臣弘、片野涸魚、久保田操、澤井二堂、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰(投句参加)今泉而云、藤野十三妹、藤村詠悟
(記録・てる夫)