番町喜楽会第120回例会
今泉さん、俳号を而雲から「而云」に変える
番町喜楽会の平成27年9月例会(通算120回)は9月7日(月)午後6時半、千代田区九段下の区立生涯学習館で開かれた。兼題は「爽やか」「露」で12人が出席、4人が投句参加した。投句総数は80句。選句6句で句会を進めた結果、最高は今泉而云さんの「函館は海の際まで星月夜」の7点句だった。次席は玉田春陽子さんの「爽やかに目礼かはす巫女と巫女」の5点句。続く三席は4点で、而云さんの「私もう人妻ですと爽やかに」、大澤水牛さんの「爽やかな笑顔に席を譲らるる」と「朝露に茄子の紫光りけり」の2句、須藤光迷さんの「爽やかや白煙うすき登窯」「ふくめ煮の芋つややかに赤絵皿」「箔剥げし阿弥陀三尊つくつくし」の三句と、春陽子さんの「爽やかや襷紫紺の弓道部」の計7句が並んだ。
続く3点は7句あったが、ここにも而云、水牛、光迷3氏の作品があり、3点以上の高点句計16句の内、而云、水牛、光迷、春陽子4氏の作品が合計12句を占めた。以下、2点8句、1点20句。なお、今泉而雲さんが「雲という字の雨冠が何となく重苦しいので『而云』とします」と改名宣言した。なるほど「而うして雲となる」よりは「而うして云う」の方が素直な感じがするようだし、面白い。
この日の兼題別の高点句は次の通り。
「爽やか」
爽やかに目礼かはす巫女と巫女 玉田春陽子
私もう人妻ですと爽やかに 今泉 而云
爽やかな笑顔に席を譲らるる 大澤 水牛
さわやかや白煙うすき登窯 須藤 光迷
爽やかや襷紫紺の弓道部 玉田春陽子
「露」
朝露に茄子の紫光りけり 大澤 水牛
一番機動くや露の滑走路 今泉 而云
露葎素足の百度参りかな 大澤 水牛
白露や淡海をわたる鐘の音 須藤 光迷
朝露や港の丘の方位石 谷川 水馬
急峻の上田本城露葎 堤 てる夫
芝の先一本ごとの露の玉 前島 巌水
「雑詠」
函館は海の際まで星月夜 今泉 而云
ふくめ煮の芋つややかに赤絵皿 須藤 光迷
箔剥げし阿弥陀三尊つくつくし 須藤 光迷
しどけなく剥ける白桃よるの厨 星川 佳子
参加者(出席)今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、廣田可升。(投句参加)嵐田双歩、井上啓一、星川佳子、前島巌水
(記録・てる夫)