番町喜楽会第119回例会
関東・甲信地方で猛暑日連続記録を更新する中、八月一日(土)午後五時半、千代田区九段の割烹「味さと」を会場に番町喜楽会八月例会(通算百十九回)が開かれた。十三人出席、二人投句参加で、兼題は「原爆忌(げんばくき)」「片蔭(かたかげ)」と時季もの。投句総数七十五句、選句六句で進めた結果、最高は五点で、須藤光迷さんの「湧水に映る髭面蝉時雨」と田中白山さんの「広島忌七つの川の静かなり」の二句。次席は大澤水牛さんの「梅干して一笊ごとの大休止」の四点一句。
三席三点は今泉而雲さんの「青空の深さこよなき長崎忌」、高井百子さんの「人の背を片蔭にして交差点」、星川佳子さんの「秒針の動くをみつめ原爆忌」の三句。三点以上の高点句は、合計六句に止まった。その反動か、二点がなんと二十二句、一点十三句がひしめき合った。猛暑の異常気象が句会に熱旋風を吹き込んだ? 兼題別の高点句六句は次の通り。
「原爆忌」
広島忌七つの川の静かなり 田中 白山(五点)
青空の深さこよなき長崎忌 今泉 而雲(三点)
秒針の動くをみつめ原爆忌 星川 佳子(三点)
「片蔭」
人の背を片蔭にして交差点 高井 百子(三点)
「雑詠」
湧水に映る髭面蝉時雨 須藤 光迷(五点)
梅干して一笊ごとの大休止 大澤 水牛(四点)
参加者(出席)嵐田双歩、今泉而雲、大澤水牛、須藤光迷、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、廣田可升、星川佳子、前島巌水(投句参加)高井百子、野田冷峰
(まとめ・てる夫)