三四郎句会の平成27年8月例会(第37回)は、20日午後1時半から東京・神田錦町の宗保第二ビル内で行われた。出席は10人で、岡本崇さん、印南さんが欠席投句・選句参加、篠田義彦さんは出席予定だったが、直前の体調不良で欠席した。
兼題は「秋の声」と「曼殊沙華」で、選句の結果、渡邉信さんの「木漏れ日に苔むす古刹秋の声」が5点を獲得して最高点。続いて岡本崇さんの2句「ひたひたと瀬戸は海より秋の声」「緋の目高甕の水面の雲に乗り」など計3句が4点で続いた。3点以上の兼題別高点句は以下の通り。
『秋の声』
木漏れ日に苔むす古刹秋の声 渡邉 信
ひたひたと瀬戸は海より秋の声 岡本 崇
刀剣の間の静寂 (しじま) より秋の声 今泉恂之介
弥勒像思惟の指先秋の声 深瀬 久敬
能登の海秋の声する千枚田 渡邉 信
みみず鳴く夜の庭にも秋の声 吉田 正義
日の落ちる時のすきまに秋の声 石黒 賢一
待ちわびる便りもなくて秋の声 宇佐美 諭
『曼珠沙華』
夕陽燃ゆトプカピ宮や曼珠沙華 河村 有弘
流鏑馬の的散る先や曼珠沙華 印南 進
『雑詠』
緋の目高甕の水面の雲に乗り 岡本 崇
(記録・報告 今泉恂之介)