番町喜楽会は梅雨只中の7月6日(月)午後6時半、九段下の千代田区立生涯学習館で、第118回例会を開催した。降ったり止んだり、典型的な梅雨の一日、句会には定刻前にほとんどの出席者が揃った。兼題は「白南風(しろはえ)」「端居(はしい)」で、投句総数は93句。6句選句の結果、最高は5点で、「白南風や牛車は海を見て曲がる 光迷」、「掌に闇を掬ひて螢狩 春陽子」、「名刺持たぬ日の始まりて端居かな 可升」の3句が並んだ。次席4点は「ウズベクの白い砂漠に白蜥蜴 啓一」の1句。続く3点は8句に上った。高点12句のうち可升さんの作品が4句を数える「廣田デ―」だった。以下2点16句、1点29句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「白南風」
白南風や牛車は海を見て曲がる 須藤 光迷
白南風や浮き桟橋の舫ひ綱 嵐田 双歩
白南風やうつぼ開きて庭に吊る 今泉恂之介
白南風や木綿のシャツの新しき 廣田 可升
白南風や平屋の続く島の道 星川 佳子
「端居」
名刺持たぬ日の始まりて端居かな 廣田 可升
台所のハミングとどく夕端居 廣田 可升
「雑詠」
掌に闇を掬ひて螢狩 玉田春陽子
ウズベクの白い砂漠に白蜥蜴 井上 啓一
夾竹桃真白き夜半の帰宅かな 今泉恂之介
蚊遣火や会社を畳む話など 須藤 光迷
ほろ酔ひの茅の輪くぐりてしずかなる 廣田 可升
参加者(出席)嵐田双歩、今泉恂之介、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、廣田可升、星川佳子、前島巌水(投句参加)井上啓一、岩沢克恵、大下綾子、山口斗詩子 (まとめ・堤てる夫)