番町喜楽会第117回例会

番町喜楽会は6月6日(土)午後6時、東京・九段下の千代田区立生涯学習会館4階学習室で、6月例会(通算117回)を開いた。兼題は「扇子(せんす)」「蟇(ひきがへる)」で、投句参加を含む18人から88句の投句があった。6句選句の結果、最高は6点で、高瀬大虫さんの「汗飛ばすロマの女の黒扇」と、廣田可升さんの「日暮れては蟇のこゑ聞く新任地」の2句が並んだ。次席は4点で、須藤光迷さんの「扇子買う写楽北斎見比べて」と、星川佳子さんの「道わたる蟇に停車の縄電車」の2句だった。

続く3点は6句で、結局この日は3点以上の高点句が10句にとどまった。これに対して2点が20句、1点26句の計46句と過半数を超え、票が完全に分散した。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「扇子」

汗飛ばすロマの女の黒扇     高瀬 大虫

扇子買う写楽北斎見比べて    須藤 光迷

投了の所作美しき扇子かな    嵐田 双歩

絵扇や言葉の端に京訛      玉田春陽子

かをり来る扇の風に裏おもて   玉田春陽子

「蟇」

日暮れては蟇のこゑ聞く新任地  廣田 可升

道わたる蟇に停車の縄電車    星川 佳子

蟇鳴けば旧家冷たき三和土かな  嵐田 双歩

がまがへる宇宙の闇に種の起源  徳永 正裕

イボ蟇幼きころの綽名なり    野田 冷峰

参加者(出席)嵐田双歩、井上啓一、今泉而雲、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、廣田可升、星川佳子、前島巌水(投句参加)大下綾子、高瀬大虫、野田冷峰、山口斗詩子       (まとめ・堤てる夫)

 

 

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