11月8日(土)午後1時から千代田区内神田の日経広告研究所会議室で第113回酔吟会が開かれた。前日が立冬、時折雨の降るうすら寒い日だったが、出席16人、投句参加2人という盛況だった。
今回の兼題は「木枯」と「納豆」。投句五句、選句6句で句会を行った結果、最高点は5点で「納豆のおかめ印と古女房 恂之介」「ススキの穂つるりと撫でて奥秩父 佳子」の2句、次席4点は「木枯らしや列の乱れぬ通学路 百子」「納豆や糸引くごとき別れあり 冷峰」「凩のこけつまろびつ富士見坂 水馬」「木枯らしや犬もおしつこ端折りをり 臣弘」「納豆や主婦のカラオケ参加賞 春陽子」の5句だった。続く3点は6句、2点が9句、1点が30句も出た。兼題別の高得点句(3点以上)は次の通り。
「木枯」
木枯らしや列の乱れぬ通学路 高井 百子
凩のこけつまろびつ富士見坂 谷川 水馬
木枯らしや犬もおしつこ端折りをる 岡田 臣弘
木枯や長瀞の鵜の男前 大澤 水牛
「納豆」
納豆のおかめ印と古女房 今泉恂之介
納豆や糸引くごとき別れあり 野田 冷峰
納豆や主婦のカラオケ参加賞 玉田春陽子
納豆どすか居ておへんえと今日の宿 藤野十三妹
納豆よ八十路遠しと思ひしに 今泉恂之介
「雑詠」
ススキの穂つるりと撫でて奥秩父 星川 佳子
朴の葉の落ちて巡礼驚かす 大澤 水牛
赤き実の見え隠れして落葉掻き 高井 百子
草紅葉草木成仏至仏山 野田 冷峰
【参加者】(出席)今泉恂之介、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田臣弘、片野涸魚、久保田操、澤井二堂、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、藤村詠悟、星川佳子、(投句参加)金指正風、藤野十三妹。
(まとめ 大澤水牛)