番町喜楽会は12月6日(土)午後6時半から九段下の千代田区立生涯学習館で、平成26年締め括りの例会(通算111回)を開いた。兼題は「枯野(かれの)」と「年の暮(としのくれ)」で、12人が出席、5人が投句参加した。投句総数85句で、6句選句の結果、最高は玉田春陽子さんの「枯野行くきのふと違う風の道」の5点句。続く4点には岩沢克恵さんの「蕪炊く今日一日のねぎらひに」と「タクシーを待つ僧房に冬の月」の2句、須藤光迷さんの「七五三上目づかいで手を合わす」、春陽子さんの「一筋の流れ横たへ大枯野」の計4句。以下、3点5句、2点20句、1点22句。
新規入会・前回初陣の廣田嘉章(よしあき)さんが俳号「可升(かしょう)」をお披露目した。
兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「枯野」
枯野行くきのふと違う風の道 玉田春陽子
一筋の流れ横たへ大枯野 玉田春陽子
道灌の伏兵どつと枯野原 大澤 水牛
信濃川ゆつたり動く枯野かな 井上 啓一
「年の暮」
吊革に両手で縋り年の暮 玉田春陽子
異土の蝶いずれに在るや年の暮 堤 てる夫
「雑詠」
蕪炊く今日一日のねぎらひに 岩沢 克恵
タクシーを待つ僧房に冬の月 岩沢 克恵
七五三上目づかいで手を合わす 須藤 光迷
小春日や布団に天日丸め込み 井上 啓一
参加者(出席)嵐田双歩、井上啓一、今泉而雲、大澤水牛、須藤光迷、高瀬大虫、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、廣田可升、星川佳子、前島巌水、(投句参加)岩沢克恵、高井百子、田中白山、野田冷峰
(まとめ・堤てる夫)