日経俳句会下期合同句会

日経俳句会は12月17日(水)夕、年次総会に引き続いて恒例の年末合同句会を開催した。暴れ低気圧のせいで大雪、寒波のニュースが溢れる中、都心は好天に恵まれて、出席者は29人(投句参加6人)と会場満席の盛況となった。

兼題は年末句会にふさわしく「年惜しむ(としおしむ)」「時雨(しぐれ)」で、雑詠含め投句3句、投句総数は105句に上った。事前に4句選句した集計結果を嵐田双歩幹事が発表する「合同句会方式」で幕開け。

最高点は澤井二堂さんの「親の役子の役終へて年惜しむ」の9点句。次席は久保田操さんの「小夜時雨店番の猫ジャズを聴き」の7点句。三席は大熊万歩さんの「おでん屋のひげの抜けたる招き猫」と、横井定利さんの「締切の無き人生や日向ぼこ」の6点2句。続く5点句は杉山智宥さんの「年惜しむせめて背筋は高倉健」の1句。次いで4点が6句、以下3点7句、2点16句、1点30句となった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「年惜しむ」

親の役子の役終へて年惜しむ    澤井 二堂

年惜しむせめて背筋は高倉健    杉山 智宥

罰当たりかも昼の湯に年惜しむ   大澤 水牛

お気に入り白磁で一献年惜しむ   大熊 万歩

最終便車窓の灯り年惜しむ     久保田 操

「時雨」

小夜時雨店番の猫ジャズを聴き   久保田 操

これよりは北国街道しぐれみち   嵐田 双歩

雲速し手摺にのこる時雨痕     高瀬 大虫

時雨るるや色なき街に赤き傘    星川 佳子

大原女の袂濡らすや小夜時雨    加藤 明男

裏山に葉擦れ走りて時雨けり    谷川 水馬

浅草は寄席のはね刻夕時雨     玉田春陽子

LED時雨を浴びて煌めけり      流合研士郎

「雑詠」

おでん屋のひげの抜けたる招き猫  大熊 万歩

締切の無き人生や日向ぼこ     横井 定利

草の根の静かに眠る枯野かな    今泉恂之介

縮こまる心励ます冬菜かな     大澤 水牛

遠き日の師走映画や高倉健     片野 涸魚

 

参加者(出席)嵐田双歩、井上庄一郎、今泉恂之介、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、大下綾子、岡田臣弘、片野涸魚、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、須藤光迷、高井百子、高石昌魚、高瀬大虫、高橋ヲブラダ、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、直井正、野田冷峰、流合研士郎、廣上正市、藤野十三妹、藤村詠悟、星川佳子、 横井定利(投句参加)池村実千代、植村博明、大熊万歩、加藤明男、金田青水、久保田操

(まとめ・堤てる夫)

 

 

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